■アクセシブルな森
サンセバスチャンから、バイヨンヌへ。スペインからフランスへは、大西洋岸から入国。
といっても入国審査などなく、高速道路の料金所を通るだけ。通貨も同じになったし国境意識は無し。
南西部バスク地方。バイヨンヌの観光案内マップには、なんと車いすで楽しめる散策路の表示が!
レンタカーなので自由に動けるため、そのうちの一つの森を訪問。
緩い勾配、広い道。車いすで森林浴が楽しめるなんて素敵ですね。

■聖地ルルド
バイヨンヌで1泊した後、フランス南部、聖水伝説で有名なルルドを目指す。
ルルドは、ローマ法王庁公認の聖地。難病や末期患者のカトリック教徒が最後の望みをかけて訪問する。
1858年、14歳の少女が洞窟のそばで薪拾いをしているとき、聖母マリアが出現した。初めて聖母マリアが現れてから14日後、9回目の出現のとき、集まった8000人の群集には見えない聖母マリアが、「泉の水を飲み、その水で洗いなさい」と言った。言われた場所を掘ると、水がどんどん湧き出てきて泉になったという。その泉の水を飲むと、何人の病気や怪我が治り、奇跡の水だと伝説が始まった。1864年には聖母があらわれたという場所に聖母像が建てられ、やがて巡礼者でにぎわう大聖堂になった。温泉が沸く湯治場も近くにある。
立派なルルド大聖堂。中世ではなく、近代に作られたため、重厚な歴史は感じられないが、とても大きい。
なんだかテーマパークのお城みたいにみえてしまう。信者の方、スイマセン。
正面入口は階段だが、両サイドに自然な形でスロープが作られていた。さすが車いす患者の多い町。

ルルドの泉を飲もうとしたら、ちょうどイタリアからの団体がミサを行っていた。言葉はイタリア語。
大勢の人がいるが、車いすなので前にいかせてもらった。こんなときこそ図々しさを発揮。

歴史あるルルドの車いす。昔ながらの形。自分ではこげず引っ張ってもらう。
多くの治療者が、看護士に連れられミサに参加していた。
羽織っているキルトは、皆それぞれ違う模様なため、寄付されたものであると推測される。

車いすの患者さんたちと並んで、特等席でミサに参加。
私は、カトリック教徒ではないが、宗教は信じないが、平和と安息を願い、一緒に祈りを捧げる。

ミサの最後には、聖水を飲む。お約束です。
この奇跡の水を飲めば、歩けるようになるそうですが、歩けるようにはなっていません。なんでだろう?
いえいえ、心を平穏にすることが大切なのです。神聖な地では、心が洗濯されました。

人間の背の高さほどある、大きな大きなロウソクがたくさん並んでいた。それもすごい数。
巡礼者が、一緒にこれない人達の分も併せて、祈りを捧げるのかもしれません。

ミサが終了。車いすの患者さんたちはホテル?療養所?施設?に戻ります。
ガン末期治療のホスピスなども存在するのかもしれません。最後の地は、平穏なルルドで祈りの生活。

ルルドには多くの信者が訪れます。山間の町ですが、巡回バスも走っている。もちろん低床バリアフリー。
バスのラッピングデザインが素敵だったので、写真撮影。

ところで、日本のキリスト教の発祥といえば、熊本県の天草地方でしょうか?
踏み絵、隠れキリシタン、島原の乱、などが有名ですが、ルルドとつながりがあります。
その天草にある大江天主堂。
明治25年に着任したフランス人のガルニエ神父が、生涯を天草の伝道に捧げたが、
昭和8年に念願のロマネスク様式の教会を完成させた。
その教会の下には、聖母マリア像とルルドの泉を模した洞窟が再現されていた。
フランス出身。ルルド信仰と結びつきが強いのだろう。
ちなみに、日本にキリスト教を伝えたとされるフランシスコ・ザビエルは、
ピレネー山脈を越えたスペイン側、パンプローナの出身である。ルルド信仰と日本は縁があるのかも!?
■トゥールーズ
フランス南部にある大学都市トゥールーズ。
旧市街の中央広場の地下にある駐車場に、自動車を停めて上がると、なんだか騒がしい。
市庁舎の目の前で、若者が抗議デモなのか、騒ぎまくっていた。

何に対する抗議なのか、政治的メッセージがあるのか、社会的意味はあるのか、わからない。
とにかく、太鼓やトランペットで音楽をかき鳴らし、皆で歌い、水鉄砲や水風船を投げ合っている。

座り込んだ学生達は、音楽に合わせて、手でウェーブ。その上を人が渡っていく。
なんて楽しそうなんだ!私も参加したい! そんな衝動に駆られた。
自由な学生達。なんとも楽しく抗議活動をしているのか、遊んでいるのか?
市庁舎の前を占拠して、自分達の存在意義を誇示する。さすがフランス革命、人権宣言の国。
民主的というか、市民が強いというか、日本じゃ考えられない。単純に、うらやましい。

ちょうど一週間後に、ラグビーワールドカップ2007 フランス大会が開催されようとしていた。
トゥールーズはフランスで最もラグビーが盛んなところ。もちろん会場の一つ。
市庁舎の一回には、フランスの国鳥であり、スポーツチームの象徴「雄鶏」が、いろんなデザインで展示。
いよいよ始まるので、盛り上がっていました。

それにしてもフランスは飯が美味しいと感じる。食べると幸せになる。しかも値段が、スペインより安い。
隣国でこんなにも違うのか。目には見えないが、やはり国境はあるものだと感じた。
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