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イスラームの世界へ (7)

2012/09

ペルセポリス & シーラーズ / イラン


バス移動

エスファハーンから、シーラーズまで、高速バスで移動する。南バスターミナルはバリアフリーで良かったが、幾つものバス会社があり、どれが運行しているのかわからない。言葉が通じない、システムがわからないので切符を買うのに苦労した。買えた切符も読めないので、人に聞きまくって、乗場や該当のバスを探す。

ちなみに市内から南バスターミナルまでタクシー代が、700,000レアル(5ドル)。10キロ弱。15分。エスファハーンからシーラーズまで高速バス代が、850,000レアル(6ドル)。400キロ弱。6時間半。軽食飲料付き。公共交通の値段は激安です。

バスはお願いして、移動しやすい最前列に座る。景色も良いおまけつき。イランの道路はとても整備がされており快適。頻繁に検問があり、運転手は記帳に行く。おそらく運行チェックをしているのだろう。スピードの出し過ぎ、不正などを防ぐ。日本の高速バスより安全である。隣席はポーランド人の大学教授の一人旅。雑談を交わす。昼飯などを買ってきもらう。


ペルセポリス

紀元前550年に建てられたアケメネス朝ペルシアの都。中東3P遺跡(ぺトラ、パルミラ、ペルセポリス)を、ようやく制覇。いずれも車いす単独でも観光可能。

シーラーズのホテルでタクシー手配を依頼。非常に良心的。450,000レアル=20ドル。ペルセポリスまでは、自動車で1時間弱。

遺跡横にある駐車場には、前夜からテントを張って寝ていた人がたくさんいた。イラン人は、家族旅行が好きなようで、節約のため公園や芝生で寝ているのをよく見かける。ペルセポリスの駐車場にも、100近いテントが張られていた。昼になると消える。

駐車場から移籍へ。これまた車止めが邪魔で、車いすが通行できない。エスファーハーンと一緒だ。隣にあるホテルから入って、なんとか遺跡の入口へ。

遺跡へと続く広い道。ゆるやかな階段であるが、自然な形で段差解消されていた。うーんいい感じ。これで、後は正面の大階段だけか。

ペルセポリス遺跡を正面から眺めて。どーんと大階段があります。高さ12メートル。その上は平らなようです。あの階段さえ上がればなんとかなりそう。

入口の係員は、「車いすでどうやって見るの?」と心配されましたが、「誰かに手伝ってもらう」と返事。観光客も多いので、男性4名に声をかけて、えっさほいさと車いすを上げてもらいます。

ついに来ました!ペルセポリス!素晴らしい!歩きやすいように、遺跡保護のため、ウッドデッキが敷いてあり、それは車いすの私には最高な設備。

壮大ですね。古代のロマン。その場におれる幸せ。車いす一人でも動いて観光できる遺跡なんて、有難い。超お勧め。

 ウッドデッキは、本当に良いアイデアだと思う。ユニバーサルデザイン。人間にも遺跡にも。一部ウッドデッキが途切れて、砂利地があります。そこはヘルプを借りながら進みます。

親切なイラン人家族。車いすを押してもらったりしました。仲良くなって少し会話。お菓子もいただいたりしました。素敵です。息子もいるのですが、その息子はカメラ撮影者。この家族に代表されるように、イラン旅行中は家族の大切さを学ぶ。日本にはない豊かさ。友人、家族、仲間、それが尊ばれるところ。

 

獅子が、牛に襲いかかるレリーフ。ペルセポリスを象徴する図柄。

もちろん、車いすで全てを見ることはできない、アクセスはできませんが、ぐるりと廻れます。大階段さえ上がれば、基本的に平らなので、車いすで最も観光しやすい遺跡だともいえます。

ダメ元でも、やってみなきゃわからない。何でもやってみるものです。来てみるものです。無事にペルセポリスを観光終了。ありがとう。


ナグシェ・ロスタム

ぺルセポリスから、車で10分。すぐ¥近くにアケメネス朝の王墓が並ぶ遺跡がある。傾斜が急ではあるが、スロープが設置されており、とても有難い。手助けを借りて上り下りした。王墓は外からレリーフを眺めるもの。まあ入らなくても良かったんだけど、スロープがあったので見学。


シャー・チュラーグ廊

シャー・チュラーグ。なんとも発音しにくい名称だが、シーア派にとっての重要な聖地のひとつ。マシュハドの聖墓はエマーム・レザー。その弟がシーラーズで殉教(835年)し、その聖墓である。イラン人にとっては、ペルセポリスよりも、こちらの方が観光の目玉かもしれない。

現地化し、旅行中はムスリムになった私も、礼拝させていただく。入口にはスロープあり。いい感じ。

素晴らしいモザイク模様と天井。内部はもちろん撮影禁止。マシュハドのハラムより規模は小さいが、ガラスが張り巡らされた万華鏡の空間。すごいっす。

この聖地の門も、一つ段差のないルートが確保されています。車いすでも問題なく巡礼できます。ただバザール(市場)の中とかは、階段や段差があったりするので、ちょっと大変。


イランの印象

イランは豊かな国だと感じた。まずインフラが整っている。工業製品は何でもイラン製。野菜や果物も多い。歴史もある。文化もある。山も海もある。石油もある。核もある。自己完結できる経済だから、国際社会であんなにも強硬な姿勢がとれるのか?

美しい女性が多いのも嬉しい驚きだった。目のメイクは世界一かも。黒いスカーフで頭を覆っているが、ポニーテールが多く、そこに引っかけておしゃれするのがイラン女性の特徴。派手なファッションも多い。宗教上、家族上、とても厳しい人がいるがそれは一部。離婚率も高い。婚前交渉もOK。本音と建前はどこの世界にも有る。

国内で暮らすには問題ないだろうが、自国通貨が弱いので国外に出るのは大変。経済的成功を望む若者達は、イランに未来はない、仕事がないと悲観する。いくら働いても外貨にすれば、わずかな額にしかならない。
  
困ったのは言葉。英語が全然通じないのは参った。文字はペルシャ語(アラビア語と相似)。それこそ旅行者は全てコミュニケーション障害者になる。


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