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出雲大社

2005年

自然な形でバリアフリーがなされています。景観を壊さないように配慮されています。駐車場(無料!)からも段差なく快適に観光できます。

 

おみくじ 50円とは、安いですね。駐車場も無料だし、神社なので拝観料も無料だし、値段が安いのも立派なバリアフリーですね。設備があっても高ければバリア。

 

段差や、敷居をうまくバリアフリーにしています。違和感のないデザイン。別離ではない同じ順路。さりげない配慮は素晴らしいです。

 

ところで、駐車場の位置にはがっかりでした。本殿のすぐ横に停めれるのは便利なのですが、横から本殿に入るようなかたちで、簡単に到着できて風情なし。正面の表参道など立派な道があるのに、そちらには人はほとんど無し。

駐車場から簡単にお参り。それは便利というのだろうか?地元民は、さくっと便利がいいだろうが、観光客は表参道を歩いて、着いたほうが感動できると思う。

正面入口から南へ500メートルのところに、出雲大社駅があります。歴史ある建物で立派。出雲大社へと続く道も、もう完全に廃れて消滅寸前だが、土産物や旅館があって、雰囲気がある。この駅の周辺にも駐車場があれば、出雲大社への参拝もちょっと歩いてワクワクすると思う。

でも、ツアー旅行だと、点で廻るだけで、写真を撮って、土産だけ買ってくれたら嬉しいから、遠い駐車場はNGなのかも。「行った」ということだけが目的の旅ではなく、そこで何を感じて、なにを思うか、肌で感じれる場所なのに、もったいない。駐車場が出来て便利になったことで、逆に観光資源が失われてしまったような気がします。


2008年

再訪しました。参道の玉砂利。中央部がネットを下に敷いており、高齢者、杖の人、車椅子の人がより歩きやすく配慮されていました。掃除もしやすいのかもしれません。玉砂利と車椅子は相性が悪いため、別途、芝生側に舗装道も整備されています。

玉砂利は、神社という空間に欠かせないもの。制約のある中で、端を舗装して、足腰の悪い人や、車椅子の人も参拝しやすいように整備がされていました。景観を壊さないような、さりげない配慮。出雲大社のバリアフリー。嬉しい限りです。


2020年

久しぶりの出雲大社。12年前より、参道の舗装部分も多くなり、かなりバージョンアップ。よりバリアフリーになっており、車いす、ベビーカー、お年寄り、杖の人なども参拝しやすくなっていましたので、報告します。

前泊は、参道の南端にある「ファミリーロッジ旅籠屋 出雲大社」にて宿泊。米国スタイルのモーテル。1階にバリアフリールーム有り。値段が安い。ベッドが大きい。車がある人にはお勧めの旅籠屋です。朝食前の朝7時30分に出発。歩いて15分ぐらいで出雲大社です。

宿のすぐ近く、一畑電車の出雲大社駅。レトロな趣のある建物です。多目的トイレもあります。展示物もあり。ぶらり立ち寄るのに最適。朝が早いせいか、誰もいませんでした。

時刻表。1時間に1本という感じです。のんびり鉄道旅が好きな人はぜひ。

10年以上前は表参道(神門通り)が整備されておらず、残念な感じでしたが、道路や景観も整備され、多くの飲食店、カフェ、土産物屋さんができており、歩いて観光するのが楽しい雰囲気になっていました。車で来ると大社近くの駐車場に入れてしまうので、電車で来る人、ゆっくり歩きたい人など、外部からの観光客用。

表参道の終点は坂道。車いすで上るのは少々大変ですが、路面状態がいいので問題なし。押してもらうのがいいでしょう。疲れたらカフェ、スターバックスなども有り。

表玄関である大鳥居。残念ながら階段です。車いすの私は入れない。。。端にスロープ作ってくれたら嬉しいのだけど。。。

左手に入れる入口がありました。初詣など、屋台や露天の搬入などに使うのかな。車止めは幅広なので、車いすも通れますが、土の道。参道の石畳へは少し段差。

大鳥居から大社を眺めた様子。長い下り坂。かなり傾斜がきつい。大鳥居にスロープがなかったのは、この道が車いす、ベビーカーだと危ないということなのかな。帰りの上りは大変なので別ルートを選択することに。

長い傾斜を降りたところの右手に身体障害者等の駐車場へと続く道あり。歴史博物館のところ。最短ルートでは、外苑駐車場に停めるのが一般的ですが、ゆっくり参道を歩いて観光した方が楽しいので、この駐車場に停めるのが良いでしょう。あるいは神門通り交通広場駐車場。

参道です。中央は天皇さまの道。両側に舗装された道あり。車いす、ベビーカー、杖の人に優しい。雨の日でも靴が汚れないというメリットもあり。朝早い参拝なので誰もいません。いい雰囲気。

2008年に来たときは、白い滑らかな石畳みはありませんでした。右側にあるアスファルト舗装された道のみ。この右側だけの舗装路だけでも充分なんですが、ユニバーサルデザイン発想なんでしょうか、玉砂利の一部分を完全にフラットに改装していました。とても良い事例ですね。景観や歴史にも配慮しながら、多くの人が利用しやすくする。

手洗い場。ひしゃくはなく、竹でした。多くの人が参拝するとき、スムーズに人の流れを作れる工夫でしょうかね。自然素材だし良いアイデア。水も井戸水なのかな?

境内に入るところ。やはり玉砂利部分にあるスムーズ通路は、2008年の訪問時にはありませんでした。より進化しています。バリアフリーへの取組が前回も素晴らしいと思いましたが、よりバージョンアップ。感動です!

お賽銭を入れるところ。以前は階段の一部分がスロープでしたが、全部が段差なしに。これぞユニバーサルデザイン。

神楽殿。おみくじ、お守り、お札など買えます。こちらもスロープばっちり。表示もあって、分かりやすい。

おみくじ。前回は50円だったのが、100円に値上がり。50円は安すぎですものね。朝早いので閉まってました。

案内説明。外国人対応のQRコードもあり。良いですねー

本殿の裏に廻ってきました。ほとんど全てのエリアに、車いすでアクセス可能。

本殿のところだけは階段。これは仕方なし。他に賽銭を入れられるところは沢山あり。

大満足の参拝。神社仏閣バリアフリーの見本ともいえるような出雲大社でした。


 
※「神社仏閣のバリアフリー」参考リンク  博多祇園山笠櫛田神社 / 法隆寺 / 浅草寺