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歩道の高さを道路と同じにする

英語: raised crosswalk 

論点 歩道が高いとき、交差点を通る度に、傾斜ができる。 商店や住宅などの駐車場からの車路があると、歩道が斜めになる。斜めの歩道を、車いすで横断するのは、大変である。
安全 歩道が高いのは、歩行者の安全と、雨が入ってこないためである。 安全柵や棒を立てたり、排水が保障されるなら、低くしても良い。交通量が多い道路ではなく、住宅街や中心市街地での実施が適当。歩行者を優先する運転手のマナーが必要。
効果 歩行者にとって歩きやすい。自転車も通りやすい。整備コストがあまりかからない。

 
大阪府 豊中市  (2008年 撮影)

当研究所周辺の歩道です。歩道と車道の高さが同じです。歩道と車道の段差がなくなること。車路などで、歩道が斜めにならないなど、平坦な歩行空間が確保されています。日本全国で、たくさん実施されています。今後はこのような歩行空間が良いですね。電信柱の地下化、自転車レーンの設置が、さらなる理想です。

日本中どこにでもある典型的な歩道です。建物から自動車が道路に出るため、歩道が斜めになります。車いすで横断するのは、斜めになって非常に大変です。自動車中心の街づくりになっています。


岐阜県 飛騨高山  (2007年 撮影)

歩道に段差がありません。色を塗っているだけです。道が狭いから苦肉の策ともいえますが、歩きやすいです。歩行者の安全性が問題なので、ポールを立てれると良いのですが、車のすれ違いがあるので無理なのでしょう。

 

日本のどこでもある道(関東、東北に多い)といってもいいのですが、変に段差のある歩道を確保するよりはバリアフリーです。歩行者の安全を確保するためには、ポールなどの車止めや境界となる縁石を置けばいいと思いますが、狭い道の場合は、車のすれ違いなどで歩道部分に進入できたほうが便利なため、ポールや縁石は設置できません。工夫として、植木やベンチなどで、歩道部分を守る、スピード抑制効果を計るアイデアがありました。

 


兵庫県 伊丹市  (2008年 撮影)

歩道と車道が同じ高さの道路。兵庫県伊丹市の中心部でも見ることができます。バスターミナル周辺の道路。段差のない構造です。非常に歩きやすい。自家用車があまり入ってこない場所です。

 

ビルの裏通り。搬入車などが通ります。ポールを立てて歩行者を保護しています。

江戸初期、清酒発祥の地といわれる伊丹・鴻池。白雪で有名な小西酒造があります。歴史保存地区では、段差のない歩行者に優しい道路に整備されています。歩道に段差無し。車止めが酒樽なのが素敵です。右写真は、右側が自動車も通行可能なところですが、住宅街なため交通量は多くありません。こちらも歩道も車道も段差無し。石の車止めと、ベンチで区切っています。素敵な景観です。

 


山形県 天童温泉  (2009年 撮影)

温泉街の一部が、観光地ならではの歩きやすい道路へと改善をしていました。自動車の減速と安全運転の促し。車道を色分けして、歩行空間を創出しています。歩道も車道も同じ高さなので、歩道と車道の段差がありません。車道と歩道の素材が違うため、触覚や音でも違いがわかるため、点字ブロックは必要ありません。


フランス トゥールーズ  (2007年 撮影)

歩道から車道への部分に段差がなく快適です。日本であれば、自動車側に段差がないように設計されますが、ここでは歩行者が優先です。


スペイン ガスタイス  (2007年 撮影)

市内中心部に歩道と車道の段差はなし。車止め(ライジング・ボラード)がありました。通行規制です。搬入車や住民などの通行可能車両だけ、リモコン操作で車止めが降り、中へ入ることができるようになっていました。

 


シンガポール セントーサ島  (2008年 撮影)

観光地であるセントーサ島。車いすで歩きやすいように歩道の段差解消が行われています。バス乗場ですが、歩道と車道の段差がありません。


JR宮崎駅 タクシー乗場  (2007年 撮影)

歩道と車道の境目に段差がありません。車いすの私には非常に便利で、移乗しやすいです。安全のため、歩道部分と車道部分が色分けされています。タクシーしか入らない場所なので、危ない運転はないです。


JR札幌駅 タクシー乗場  (2008年 撮影)

南口、北口ともに、タクシー乗場の段差が解消されていました。宮崎駅のように、フルフラットではなく、少し斜めですが、それでも段差があるより、ずっと便利です。