オランダの名門アヤックスの試合を以前から見たかった。
かつて、アヤックスのチャンピオンズリーグの試合を見ようと、
インターネットでアヤックスのオフィスと連絡を取って車イス席を予約したいと交渉した。
だが、チャンピオンズリーグは、オランダ人しかチケットを買えないと断られた。
でも、国内リーグ戦なら手配できるから、今度オランダに来るときにはもう一度連絡くれと言ってくれた。
その言葉を信じて、中東に行くのに、わざわざオランダ経由にした。
だが、メールでまた連絡を取ると、数日後、やっぱりチケットは取れないとの返事。
なめとんかー!こうなりゃ意地でも見てやる!!
私は、車イスの席なので旅行代理店とか、ダフ屋とかは当てにできません。
ちなみに、通常でもアヤックスのチケットは会員に入らないと購入できなくて、
ほとんどが年間指定席で占められ、最も観戦が難しいチームの一つだと思います。
レバノンのベイルートを深夜に発ち、アムステルダムに早朝到着。
ホテル探しに苦労して、昼前にチェックインしたはいいが、掃除中で部屋に入れず、
公園で1時間仮眠した後、駅まで40分歩いて地下鉄に乗ってダメモトでスタジアムに向かう。
アヤックスのホームスタジアムは、アレナという。
開閉式ドームの天然芝グランドを持つサッカー専用球技場だ。
下層階は高速道路と直結した駐車場、駅もすぐ隣と交通アクセスも抜群!!
アヤックス博物館やスポーツバー、オフィシャルショップなども備え、試合の無い日も観光客でにぎあう。
さて、試合開始の1時間前に到着して、チケット売り場で尋ねると、
10分間待った後、係員が来て、車イスのチケットを用意してくれ、席まで案内してくれた。
インターネットで無理だと言われたけど、来て見りゃ何とかなるものだ。
観戦した試合は、もう既にリーグ優勝が決定していてアヤックスは優勝を逃していたいわば消化試合。
とはいっても、ホーム最終戦だということもあって、スタンドは9割方埋まっていた。

ところで、車イスの座席ですが、バックスタンドの一階席後方全てが車イス席。
非常に見やすい席です。価格も割り引きがあって、25NLD(1000円)と安い。
座席の数は、34席×2(介護者)、車イストイレ2個、と多いが、
推測するに、ほとんどが年間指定席で常連ばかりの様子。
私の座った席は一番端っこ。だから、車イス席の当日券は、あるかどうか保証はできません。
見に来ている車イスの人は、ほとんどが電動車イス(三輪車含む)であった。
オランダは自転車の国だけあって、お年寄りが街中で電動三輪車を運転するのを多くみかけるが、
バリアフリーが進んでいる国だ。
また、アレナではキャッシュレス。
スタジアム内の買い物、飲食は全て、アレナカードというプリペイドカードを使う。
チケットも、ID管理されてフーリガンは入れない。入場門も確か、コンピューター管理の自動であった。
オランダらしいシステマチック、合理的なところがたくさん盛り込んである。

車イス席に着くと、試合前にユースチーム(子ども)の試合をやっていた。
ユースでも、3−4−3 のシステムでやっているのに驚かされた。
そして、子ども達のリフティング大会。最後まで残った子どもは表彰される。
何万人の観客が見守られる中、プレーして拍手されるなんて良い経験だ。舞台慣れもするだろう。
また、ホーム最終戦ということもあってか、ハーフタイムに、ユースチームの優勝報告があり、
子ども達は、5万人の観衆の中をウイニングランをして嬉しそうだ。
ユースを育てる温かい土壌。アヤックスの強さを垣間見た気がした。

さてはて、肝心の、アヤックス × MVV の試合。
アヤックスが後半35分にコーナーキックから点を入れて、1−0 で勝利。退屈な試合であった。
名門復活には遠い感じ。それでも3−4−3 のシステムは大きな翼を広げたフェニックスのようで感動した。
ちなみに、アレナには(オランダには?)、アウェイの席はなかったようだ。
すなわち、100%アヤックスファンのホームゲームなのだ。でも、応援に関しては、イタリアの方が面白い。
試合後、ボビー・アヤックス卿を称えるセレモニーがあった。
何を祝っているのかわからないが、アヤックスを作った人なのだろうか???
最後には、球団スタッフ全員がグランドを取り囲み、発煙筒を焚く派手な祝福。
爆音と煙で、アレナはすごいことになっていた。鼓膜が破れるかと思った。
