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インド バリアフリー写真

ボーディング・ランプ  (2019年 撮影) 

飛行機に乗る際の搭乗スロープです。インド格安航空、最大手LCC (Low Cost Career)の Indi Go では、基本的にこのボーディングランプが使われます。誰にでも優しいから。車いす客がいてもオペレーションが簡単だから。10年以上前から知っていましたが、インド訪問の機会がずっとなく、ようやく利用できました!

身体の不自由な人も利用できる簡単な解決方法なのに、日本で見ることは希少。なんで真似しないのか?やる気ないのかな?奄美空港にもボーディングランプがあれば、搭乗拒否とか発生しなかったのに。。。 

ちなみに、スロープは和製英語。英語では、ランプ ramp 。車いすで世界旅をする上での覚えるべき必須単語。ランプありますか? ランプはどこですか?

インディゴ航空の、誰にでも優しいよ!と顧客本位な会社の姿勢が伺えます。安いし、サービス良いし、最高。日本では、いつも車いす客は別案内、別の車とか、一緒にやること前提とされない。設備環境あれば、優先搭乗で最初に乗るだけで、一緒のルートで可能。入国審査も別窓口なのも、日本だけです。隔離しているのは。

インドは、マナーが良い国とはいえません。搭乗口に分かり易い案内あり。これぐらい書かないと、守らない。言語も沢山あるので。妊婦さんの順番が日本なら前になりそう。軍人さんでなく、お坊さん優先という国もあり。車いす客(多くが高齢者)も飛行機を大勢利用しています。

 

障害者雇用をするホテル  (2019年 撮影) 

グジャラート州の州都アーメダバードで偶然泊まったホテル「レモンツリー」。受付で働く一人が「ろうあ者」だった。このホテルには10-15人のろうあ者が働いているらしい。レストランにもいた。障害者就労をグループとして推進。中級ホテルチェーンではインド最大43のホテルを運営。

オーストリア、インスブルックで泊まったユースホステル。福祉施設と併設され、シーツ交換、掃除など、知的障害の人たちがしていたことがあります。バックヤードでなく接客をさせるのが、レモンツリーのすごいところ。インドの友人は、デリーで泊まったときに、肢体不自由の人が働いていたと教えてくれた。良い会社だなあ。名前もいい。世界は広い。玄関もきちんとスロープありました。

そのレモンツリーには、車いす対応部屋がありました。インドで初めて車いす対応部屋に泊まりました。2食付きで7500円くらい。高いといってもこの程度。3つ星クラスが、2000-3000円で泊まれる国。機能的で完璧なデザイン。シャワーを浴びるのに必要な、赤いプラスチックの椅子は、頼んで持ってきてもらいました。

鉄道駅  (2006年 撮影) 

車いすというより、ポーター(荷物運び人)が台車を使ったり、貨物の荷物を運搬したりの意味が強いのですが、インドの大きな駅ではどこでもスロープがあってビックリです。 全部で、大小12の駅を利用しましたが、階段しかなかったのは1つのみ。 スロープのない駅は、ホームの最後がスロープ。 車いすの私にとっては最高のデザインです。もちろんスロープは急なので、周りの人に押してもらいました。

 

 
障害者用車両  (2008年 撮影) 

ンドの電車には、障害者用車両があります。貨物用車両の後ろで、1等、2等、3等、寝台車など何両もの列車が並びます。ですが実際、車いすの利用は皆無に近いでしょう。なぜなら、インドの車いすは自転車式で列車に入らない。足腰の弱った高齢者、病人、遺体がメインの利用。障害者というより、乗車にお困りの方という形。一般の人もたくさん乗り込んできますが、自閉症、盲目の人など、座っているのを見ました。

車いすの私も一度利用してみようと頼んでみたら、寝台車のほうが座席が一列使えて、横になれるので快適なため、利用はやめなさいと諭されました。何か設備があるというより、ただスペースが確保されているだけ。段差解消のスロープもありません。ただ車いすでも入れる洋式トイレがあるのが嬉しいところ。

 
夜行列車  (2012年 撮影) 

夜行列車を待つ人で、ホームには人がたくさん。値段も安く、快適なので、いつも混雑しています。通路の幅も60センチほど。手動車いすなら通行できます。人々との出会いがあるのも夜行列車の楽しさ。


デリー空港のトイレ  (2012年 撮影) 

2011年開業のターミナル3。ユニバーサルデザインが適用されています。トイレが面白かったので撮影。大きな男女の写真がわかりやすい。トイレによって写真も違います。きちんと車いす用トイレもありました。


デリー メトロ  (2012年 撮影) 

デリーの新交通メトロは完全バリアフリー。全ての駅にスロープやエレベーターがあります。ホームと車両に、2センチほど段差が残るのが残念ですが問題ない程度。完全フルフラットは日本でも少ないですね。駅から外はバリアだらけです。大きな道路。段差だらけの歩道。線でバリアフリーになるのは今後の課題です。

  
ホームの端  (2006年
2008年 撮影) 

陸橋にスロープがない駅は、ホームの端がスロープになっていて駅の外に出れます。親切に表示がありました。日本みたいに列車の本数が多くないので踏切もありません。お金のかからないバリアフリーの好事例です。

 

インドの鉄道は、車イスでも利用しやすいです。どこの駅にもスロープがあります。台車用。陸橋もありますが、ホームの端に行けば迂回することができます。

 
駅のバリアフリー  (2006年、2008年 撮影) 

駅の入口にはスロープがあります。どの駅にもありました。手助けの必要な人の問い合わせ場所も表示されており、駅の車いす(白色)が使われたりします。スロープのない駅を利用したときは、駅員に頼むと、2人のポーターを呼んでくれ、担ぎ専用車いす(持ちやすいようになっている)に移れといわれ、担がれました。

どの駅にもスロープがあります。低いカウンターも作られていました。白い介助用車いすが置いていました。

マドゥライ駅の看板です。駅のバリアフリー設備が書かれています。

 

ホームには点字ブロックもありました。警告と誘導。日本みたいにケバケバしくありません。違うホームにも、点字ブロック。端の部分が凸凹。中央部はつるつるの石。

 

  
インドの車いす  (2006年、2008年 撮影) 

インドのほとんどの車いすは自転車型。途上国や旧共産圏でよく見られます。ペダルで廻します。両サイドにペダルがあるのがインド式。大きいのが欠点。リキシャに混じって道路を闊歩しています。もちろん車椅子を持っていない人もいて、台車に乗って道路を這っています。電車では盲目の歌手や物売り、肢体不自由の物売りが目立ちます。人口がとても多いのもありますが、日本よりずっと街中で障害のある人を見ます。

 

南インド。マドゥライ駅にあった介助用車いす、コチ空港にあった介助用車いすです。色々工夫して作られています。小さいので機能的だと思うので、このような車いすが街中でみられるといいなと思います。

 
スロープ  (2006年、2008年 撮影)   

世界遺産エローラ 第16窟 カイラサナータ寺院はバリアフリー。歴史建造物、遺跡などは車いすで見ることが出来ないことが多いですが、配慮されていました!

 

マハーバリプラムの遺跡。スロープがありました。急ですが、警備員や廻りの観光客に押してもらえます。インド半島の先端、コモリン岬に浮かぶ島。船で渡る観光地ですが、スロープ完備で、車いす観光OK。諸所で配慮があります。

こちらはあ、アムリトサルの黄金寺院(2012年 撮影)です。シーク教の聖地。四方に入口がありますが、1つだけ段差がなく、スロープ設置されている入口があります。車いすでの巡礼者や観光客もこれで安心です。ただし祈りの場所へや車いす入場不可。降りなければなりません。

 

  
車いすトイレ  (2006年 撮影)   

駅や観光名所にはスロープが配慮され、バリアフリーでありますが、トイレは全くなし。そもそもトイレが少ないこと、西洋式のトイレもないことも理由です。電車内の障害者用車両に対応トイレありますが、公共施設で、車いす用のトイレを見たのは空港のみ。

 
非力なインド人  (2006年 撮影) 

写真は、ハンピという南インドの町の床屋です。珍しいので人気者になります。入口に階段がありましたが、素敵な店なので、担いでもらって中に入って切ってもらいました。親切な人が多いこと、街中にバリアが多いことが理由で介助してもらう機会は多いのですが、菜食主義者、平和主義者(無暴力)が多いせいか腕力が弱いようです。しかも右手しか使わない人が多い。左手は不浄の手として使わないので、より腕力が弱いのかもしれません。手助けしてもらっておきながら注文多くてスイマセン。

ところで、インドでは、赤ちゃんを抱くお母さんをたくさん見ても、ベビーカーを見ることがない。習慣や経済力の問題ともいえるが街中で段差が多く、バリアフリーのない証拠ともいえます。ベビーカーが増えて欲しいものです。