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佐渡金山

2020年

ジパング伝説。中世日本の発展。江戸幕府の財政を支え、日本の近代化を支えた佐渡金銀山。大河ドラマ「麒麟が来る」を見ていたら、外国からの武器輸入における役割について興味がわいてきた。東北出張の帰りに、佐渡島へ立寄り。

佐渡金山のホームページに、バリアフリーへの言及あり。車いすでも坑道を一部見れるとの記述があり、安心して訪れることができた。山の中腹にある鉱山である。車いす用の駐車スペースも傾斜が少ないバス停近くにあり、そこに駐車する。

入場券売場。車いすでの観光に関する記述があるので嬉しくなる。情報のバリアフリーですね。本当有難い。

2009年から公開された「道遊坑」はバリアフリーの段差なしの構造。明治時代から平成元年まで約100年使用。計画的に掘られ、トロッコ列車も走れるように大きく平らな坑道。

入口の正面にある階段のあるコースは、宗太夫坑(そうだゆうこう)。江戸時代に作られた手掘り坑道。こちらは車いすNGです。

さて、道遊坑を進んでいきます。中は涼しく、平均10度ぐらいとのこと。夏に行くときは防寒具が必要。車いすはちょっとだけ見れて引き戻るかと思っていたら、とんでもない、どんどん奥まで進めます。

深さ30メートル毎に水平坑道が掘られています。その中心、地表面の坑道を見学します。

主要坑道から、脇道にそれるところ。この先は立入禁止。

坑道を歩いた距離、なんと400メートル! かなり進んできて、外に出ました。車いすでの観光で、通り抜けられることに驚き。帰りは、この来た道を戻ります。

金山のランドマーク「割戸」が見えます。江戸初期の露頭手堀り跡。近くに見える展望台の近く高任神社までも坂道で介助必要ですが、車いすでアクセス可能。

掘削機械や展示物、ビデオなど見学できる機械工場を見学。粗砕場、高任坑を抜けると最後の展示室や資料館、売店のところに階段があります。出口までは一方通行。最後のところで階段があるので、車いす見学者は機械工場で引き返すことになります。全てのコースを見ることはできませんが、坑道を通り抜けできるし見応えは十分です。車いすでここまで観光できるとは!期待以上の観光地でした!お勧めです!


佐渡の観光地。昔ながらの町並みが残る「宿根木集落」。車いすでも探索可能です。

佐渡名物の「たらい舟」。宿根木集落の前でも乗れます。お値段も手頃。

佐渡「ブリカツ丼」を港で食べて観光終了。美味しいのですが、量が多い! 新潟名物「タレカツ丼」と似ています。米の量がハンパない。最後はちょっと飽きてくる。ブリも3切れ、ご飯も半分でいい。ミニそばをつけるとか。 


おまけ

佐渡島へのアクセスは、自家用車を乗せてのフェリーでした。エレベーターに近い場所に駐車させてもらうため、事前予約するか、当日は早めにフェリー乗り場へ行くのがスムーズです。船員さんはどこも優しく親切です。宿泊は島の中央部、病院の隣にある「たびのホテル佐渡」に泊まりました。新しいのでユニバーサルルーム有り。大浴場も段差がなく、車いすでも入りやすかったので、お勧めです。

出張後のプチ旅行として訪問した佐渡は、想像を超えて良いところ、豊かでした。何でも行かないとわからないもの。歴史がある。街並みが統一されている。平野、山、海ある。島も大きい。海運が主流の中世においては住みやすいところだったでしょう。鉱山利権、坑夫搾取などもあったでしょうけど。観光は昭和の典型例。朽ちた廃ホテル旅館レストランが目立ちました。せめてそれらを撤去できると寂れた感を少しは払拭できるでしょうけど。

稲穂が実る夕暮れ。野生のトキ、サギ、トンビ?などが、棚田で涼む。トキテラスで、幸運にもそんな場面に遭遇した。絶滅したトキは、繁殖に成功(どぶ川整備、餌場、環境保護)。現在400匹近くが野生でいるそうな。トキの森公園も必見です!