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手軽に秘境 パプアニューギニア(2)

2013/12

ジャングルの民家で1泊/ゴロカ


山道で緊急事態

町の移動は、乗合バス(ハイエース、ミニバス)。乗客が埋まらないと出発しないのは開発途上国での共通項。最初のミニバスは、車いすを積む場所がないので、2席分を請求され、私の方から利用を拒否。2台目のバスに乗って出発。ドアの部分に車いすを置いてもらうため、チップで500円(運賃の3分の1)を払った。

バス料金も、1500円と結構高い。200キロぐらいだと思うのだけど。何でも物価が高いパプアである。地図上の距離は遠くないのだが、ぐねぐねの山道。舗装も剥がれたり、穴が開いていたりと、状態が悪い。

出発して2時間後、かなりの揺れで、お腹も上下運動。便意が襲う。3時間ぐらいで着くのかもと期待して我慢することも考えたが、最悪の事態(車内で漏らす)は避けるべき。恥は捨て、運転手に「ストップ」と大声をあげた。

ドア前に座っていて本当に良かった。すぐに外へ出れる。隣りの乗客の肩や手を借りて外へ出る。道沿いの草むらに置かれた車いすに乗り移ると、ズボンを脱いで、フットレスト(車いすの足置き台)に片尻をのせて、うんこ座りの格好をとる。その瞬間、大量の下痢うんちが漏れた。ドアは開いたまま。乗客からは私のトイレの様子や下半身が丸見え。

周囲の草むらから、ちぎった葉っぱを、荷物からはトイレットペーパーを、皆が渡してくれる。有難う。助かる。恥ずかしいなんて言ってられない。もう安心と思いきや、第2次攻撃も襲ってくる。再びパンツを下して草むらに下痢うんちを投下。ようやく腸が空っぽになった。

着替えろと、バスの中から、短パンを提供してくれる人もいた。涙がでるぜ。

でもその申し出は断り、バスの中から自分のリュックをとってもらい、下着とズボンを交換。汚れた車いすは、親切な乗客達数名が川に運び、飛び散ったうんちを洗い流してくれた。なんて優しい人たち。10分ぐらいの停車になったが、乗客の誰一人、怒っていない。トイレの問題は誰にでもあるからねー。

・・・・・

朝8時の出発。正午近くなったからか、休憩が入った。売店が並んでいた。私はバスに留まって待つ。お腹を下したが、体力をつけないといけないので、芋を2つ買う。1つ1キナ(50円)。やっぱり物価は高いなあ~

すごい山道。ガタガタ。直線で見遠しの良い場所は、100キロ以上で飛ばす。治安よりも何よりも海外旅行では、交通事故が怖い。運転手よ、どうか安全に運転して欲しい。

雨が多い。道路整備も悪い。大型トラックも通る。穴ぼこだらけの道。ところどころで、住民が自主的に道路の補修をしていた。といっても石や土で穴を埋めているだけ。ミニバスの運転手は、そんな彼らにチップを渡す。なかなかよくできたシステムです。


ゴロカ

3時間で着くと思ったら、5時間半もかかった。ゴロカも山にある町。坂道が多い。ゴロカ到着の20分前、泥を全身に塗りたくり仮面を被って踊るマッドダンスで有名なアサロ村を通ったが、普通の生活だった。もはや裸族はいない。

ホテルを見つけ、荷物を置いて市内を散歩。でも、急に雲が多くなってきた。午後遅くなると山岳地方だからか、すぐ天候が崩れる。そして夕方は大雨。雨宿りで、食堂に入る。腹も減っていたので、豚肉、山羊シチュー、コーラを注文。全部で17キナ(850円)。マウントハーゲンより物価が安い。味も美味しい。僻地から都会へ少し近づいた感覚。内陸から海へ。街を歩いていて注目を浴びることは、圧倒的にマウントハーゲンが高かった。

パプアの食事を紹介。外食で最も一般的なのは、フライドチキン+ポテト+コーラ。でもこれで1000円ぐらいします。特徴は大きさ、量です。ポテトは、日本のじゃがいも3つ分ぐらいの量。 

ゲストハウスの朝食。イングリッシュ・トーストに、コーヒーが通常だろうけど、フルーツとシリアルがついて豪華でした。固くて軽い果物。中をあけるとにゅるにゅるの果実。シュガー・フルーツというそうです。初めて食べましたが、めちゃくちゃ美味しい。触れてはいけない密な部分を貪る、禁断な大人の妖しい味。アフリカのルワンダでも似たような味の果物マラクージャを食べましたが、表皮は赤色、果実は黄色と微妙に違う。


ゴロカから、マダンへの移動

次の陸路移動は、ゴロカという山奥の町から、海岸のマダンという町へ。ホテルから、バススタンドまで歩いていく。隣は大きな市場で活気がある。 

朝8時にハイエースの助手席を確保したが、乗客が集まらない。エンジンをかけながら、ウロウロと2時間。客を奪い合う。順番にやればいいのに非効率。

25人乗りぐらいのミニバスもたくさんあります。ハイエースは乗客11人かな。

私の車いすは、スライドドアの前に置くことになるため、客集めのときは邪魔。芝生で休む親子に運転手はチップを渡し、私の車いすを預けることに。後に布団も預けていた。手元にないのは不安だけど、面白いからいいか。色んな商売(見張番)?があるものです。

パプアの人は、カバンをよく持つ。そのデザインによって出身の村がわかったりすることも。三つ編みがきれいなお姉ちゃんは、大きな派手なカバンでした。男性は、野球帽とラグビージャージが多いです。

バスを待つ人々と、ゴミ捨て場。裸足も多いですね。カバンも持ってます。中国の穀物袋を裁断して作ったカバンも流行でした。

2時間も乗客を探して、ようやく10時に出発。出発が遅かったからか、昼ごはん休憩もなく、ハイエースは進む。山岳地帯を抜け、ダム湖を通り過ぎ、大きな川の流れる平野部に。そこはプランテーション(パーム油)農場、さとうきび農園が一面に開かれ、ようやく産業らしきものを見る。

・・・・・

13時30分。橋が壊れて、道が寸断していた。何百人が立ち往生。復旧を待つしなかない。

14時15分。バスの乗客入れ替えの交渉成立。私を含めた乗客全員が橋を渡って向う岸に行こうと思うが、通行止めで人間も通れない。2日前に落ちた橋。向う側の継ぎ目が崩落したらしい。2メートルぐらいの穴。鉄骨の橋をポンと置いているだけだから、大雨などで道路との継ぎ目がボロボロになるのだろう。

川を歩いて渡る人も多数。結構な濁流です。

車で渡る人も現れた。歓声が上がる。運転手はノリノリで良い気分。

16時30分。人間だけ橋を渡れることになった。ところが最後に1メートルの穴。多くの人々の手で担いでもらい車いすの私もようやく渡れた。バス運転手は互いの乗客を交換することで交渉成立。それぞれが町に引き返す。ぎゅうぎゅう詰めのバスで再出発。

・・・・・

18時30分。またもや橋が工事中。豪雨で氾濫した川は通行不可。十数台の車が立ち往生。足止め。日も暮れて、真っ暗闇。しかも雨。乗客全員の野宿決定!

20時30分。明るい場所に移動して一夜を過ごす。ガソリンスタンドが前にある酒場。ビールが売っていたので、とりあえず飲む。

幸運にも前日は十分な睡眠をとっていた。宿泊代1万円(パプアは高い)が浮くと思えばいいと気楽な気持ち。
売店の床に転がりたいが、酔っ払いが多く、喧嘩も始まった。酔っ払いは嫌よねと隣の人と話していると、「家に泊まりなよ」と地元民が自宅においでよと誘ってくれた。

21時30分。ジャングルの民家に移動。

22時00分。家族たちと折り紙や話をして盛り上がる。 新しい家だった。高床式。狭い階段は担いでもらった。

22時30分。疲れたので爆睡。

・・・・・

翌 06時00分 起床。目覚ましをセットいていた。外に出て泊めてもらった現地家族達と記念撮影。

私が寝た場所。マットも有りました。快適でした。どこでも寝れる私。しかも大爆睡(笑)。隣の部屋では、まだ寝ている人がいたのでパチリ。

 

外に出て、昨晩、真っ暗な中、通った道を確認。

パプアは大家族です。

記念撮影。

熱帯雨林のジャングル。電気ガス水道もない民家です。自給自足。シンプルライフ。

集落から、バスが一夜を過ごした場所へと戻る。途中には鉄橋。

06時20分。 誰もいない。置いて行かれました。一応、伝えてはいたけど、夜明けと共に出発したのでしょう。

橋が崩落しているためか、交通量も無し。静かな道。

07時00分。しばらく自動車やバスも通りそうにないので、ウンチをすることにする。売店の裏にトイレはあるが、それは小屋。前夜の雨で道もぬかるみ。ベンチがあったので、便座の代わりにを利用することに。ベンチに40%。車いすに40%。体重をかける。

地面に穴を掘って狙いを定めようとすると、家に泊めてくれた住民が、ヤシの実をもってきて、ここにしろ!と言う。その通り。食事するベンチですもんね。ところが、いざトイレをすると狙いはヤシの実から外れてしまった。自分の残した残骸を土で埋めた。

お兄ちゃん達。狙いを外した私を見て、大きなスコップを持ってきた。わざわざ他人の排泄物を土ごとスコップですくい、トイレ小屋の中まで運び、捨ててくれた。なんという親切。優しさ。心の清さ。

お腹もスッキリ。バスが通るのを待つ。地域住民も集まってきました。道路沿いでスイカ、キュウリ、芋、などの売店を開いています。

08時00分。通りがかったミニバスに無事乗れました。車内はこんな感じ。

昨日通れなかった川は水位が落ちていた。橋は工事中なので、車は川を突っ切る。11時00分 ようやく最終目的地のマダンに到着。 ゴロカのホテルを出てから27時間30分かかった。

1泊2日の長旅は終了。民家に宿泊する貴重な体験。講演のネタが、また一つ増えました。


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