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ドバイ出張のついでに(1)

2017/10

自転車の国 / エリトリア


1人で乗れない

ドバイで、バリアフリーの国際会議が開かれる。スピーカーの一人として招待された。仕事のついでに、未訪問国のスーダン、エリトリアを訪問することにした。

エリトリアへは、あまり行く手段がない。ほとんどフライトがない。ドバイからは、エミレーツ系列の「フライドバイ」が毎日就航しており、これが主要路線になっている。しかし、搭乗カウンターで揉めた。「歩けない人は一人で乗れない」規則とのこと。

私はハッキリと返答した。おかしなルールである。そのルールが差別であると思う。職員のあなたはルールに従っているので悪いわけではないが、何とかならないのか?と打診する。

同行者がいればOKとのこと。「同じ便に乗る人で、誰か介助者になってくれる人を探してきたら?」と言う。この辺りは、バニラ航空や日本の係員と違って融通は利く。代替案を提示してくれる。

搭乗カウンターは航空会社での管理のため、誰がどの行先かはわからない。「荷物を大量に持っている人がアスマラ行きだよ」とのアドバイスで、それっぽい人を探す。1回目でビンゴ! 女性3人組。快く、困っている私の介助者に1名がなってくれることになった。あり難い。

ドバイ空港 第2ターミナルは、搭乗ブリッジはなし。階段だけ。歩けない私は昇降車での搭乗。車いすも搭乗ゲートまで乗ることはできず、カウンターで預けて、空港の車いすに乗り替える。フライドバイの規定では、車いすはラッピングする必要があり、25ディルハム(750円)を出してラッピング。10ディルハム(300円)ぐらいだったら良いのだけれど、高いなあ。

エア・アラビアという、ドバイの隣シャールジャを起点とするLCCに乗ったときも同じようにラッピングを指示された。もちろん他の航空会社や空港では、このような指示はない。

 

親切なエリトリア人が、私の介護者になったことで、無事に搭乗。彼女とは一緒に乗り降り。到着地のアスマラ空港も、搭乗ブリッジはなし。昇降車なし。機内用の小さい車いすなし。空港の係員2名に担いでもらって飛行機から降りる。滑走路は歩いて入国審査へ。

アスマラの朝。結構、寒い。標高2347メートルの高地なので、アフリカといえど、すごし易い感じ。乗客の多くは、30キロの規定ギリギリや、それを超えて荷物をもっている。入国審査は厳しく、荷物もタグと一つ一つ照合する。税関チェックも1列で1時間ぐらいかかっていた。

税関を抜けると、免税店があり、ビール、タバコ、食用油、マーガリン、粉ミルク、アルコールなどが販売。多くの人がビール(24本セット)を買っていく。こんなにも荷物の多い乗客ばかりな飛行機は初めて。

私の介助者になってくれた女性と一緒に、市内へ行くことにする。ホテル探しを手伝ってもらう。彼女の夫が空港に迎えにきていたので、その夫の車に乗ってアスマラ市内へ。4件目で、ようやくホテルが決まった。ちょっと希望より値段は高いところになったけど仕方ない。ガソリン代として、お金を渡そうとしたら、受け取らなかった。親切な人でした。ほんとに感謝!

朝9時だったのにチェックインOK。朝食もとっていいよという。ラッキー。部屋で洗濯などして、ゆっくり休憩をとってから、歩いてアスマラ市内へ散歩へと繰り出す。


アスマラ市内散歩

温暖な気候。平和な雰囲気。イタリア、コロニアル建造物も残り、とってもいい感じ。 

恒例の散髪もして、頭もキレイすっきり。 

散髪屋さんに教えてもらったレストランで、ランチ。 

エリトリアは、エチオピアから独立した国。主食は、エチオピアと同じく、インジェラ。ただパンもたくさん食べる。海に面しているので魚も多い。赤魚を注文。手で食べます。

街を散策。大通りにある大聖堂(カテドラル)。キリスト教が半数、イスラムが半数の宗教とのこと。エチオピアになると、キリスト教が主体になるので、そこの違いはあるのかも。大聖堂は階段だったので、中に入れず、外から撮影。 

3輪の原付自転車に乗っている人がいたので、許可を得て撮影。バイクはイタリアのヴェスパでした。

カフェ文化もある。マキアートというコーヒーが名物。ご存知のように隣国エチオピアは、コーヒーの発祥地。たまたま入ったカフェの内装が、自転車でした。ランチのデザート代わりに、チーズケーキを食べる。220円なり。

エリトリア自転車の国。街のあちこちで自転車を見る。それも格好いい自転車が多い。空港から市内にでるとき、ロードレーサーの練習をする人を30人ぐらい見た。なんとその中に、車いすマラソンの練習する人もいた。障害のある人を街中でたくさん見られる。素晴らしい。

街の自転車屋さん。車いすがもし壊れたり、パンクしても安心ですね。

車いすを販売する自転車屋さんもありました。アフリカで驚き。素晴らしいこと! 障害のある人も社会参加している印象を受けました。

バスターミナル。地方都市へのバスが発着します。首都訪問だけで利用はしませんでした。流石に、車いすでバスに乗るのは大変そうです。。。

バスターミナル周辺の売店。

街並み。平和な感じです。高地なので、坂があります。

歩き疲れたら、カフェ。どこにでもあります。スイーツとコーヒー、紅茶。男性も女性も、おっさんもスイーツ大好き。よく食べてます。従業員の制服もかわいいです。居心地いいです。おしゃべりが娯楽なので、皆カフェで、ぐだぐだ、おしゃべりしています。

市場周辺。主食インジェラ―の材料となるテフ。

山羊屋さん。生きたまま売っています。確か1頭1000ナクファ(4000円)と言っていたような。どこの家でも、生きた動物をさばけるんでしょうか? 新鮮で美味しそうですが、日本人には無理ですね。

市場でも見かける、車いすの人々。傷痍軍人も多いようです。戦争していて、そこで負傷して下半身不随に。流れ弾が脊髄を傷つけたなどありますから。地雷も。

きれいな街並み。色鮮やかな女性の衣装。

高台にある教会。学校があり、生徒で賑わう。

中が白くて、種のない、ふわふわ甘い果実のある果物。初めて食べましたが、美味しかったです。水分補給にぴったり。

グランドモスク。お昼の礼拝。階段で中に入れません。車いすの人は外でお祈り。宗教施設も、バリアフリーになって欲しいなあ。信者に車いすの人はたくさんいるのだから。

モスクでお祈りを終えて、でてきたおじさん。格好いい屋根つき、自転車型の車いすに乗っています。

ランチ。いいレストランを見つけました。肉盛りセットを注文。1600円と少し高級。牛肉、羊肉、鶏肉、モツ、牛ミンチ、羊ミンチ、6種類とも美味しい。ちょっとピり辛。インジェラ―と共に。

エチオピアから独立した国なので、文化も同じかと思いきや、微妙に違ってました。食事はインジェラー、コーヒーなど、エチオピアの方が美味しい気がします。英語が通じる、町中に障害者が多い、穏やかな人が多い、ムスリムも多い、そんな違いでしょうか。文字は同じだと思うのですが、言語も違います。

ところで、アフリカには、どこでも中国人。飛行機にも6名ほど中国人が乗っており、空港では迎えの人も。建設業で働きに来る人達。エリトリアには金鉱山があるらしい。中国のアフリカ進出には驚かされます。日本もJICAがあるけど霞んでしまいます。ビジネス分野で日本人も活躍できればいいんですけどね。


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