講演案内 旅グルメ レジャー情報 搭乗拒否問題 リンク集 問い合わせ

Travel for All トップページ目指せ100ヵ国!車イスでの世界旅行in English

旅コラム バリアフリー安宿情報 世界のバリアフリー事情 世界のカミキリ コカ・コーラ 旅のランキング

 
イスラームの世界へ (9)

2012/09

黄金寺院 / インド


デリーでの国際会議

今回の旅の主目的は、デリーで開催される「高齢者と障害者の交通と移動に関する国際会議」への出席。デリー空港は、2006年の訪問時とは違い、ユニバーサルデザインの新ターミナルが完成していた。バリアフリー設備はもちろんバッチリ。表示もわかりやすく、ユニークだったのはトイレ。男女の写真があって、区別しやすい。その写真も色んな種類あり。きちんと車いすトイレも横にあり。

4日間の国際会議。5つ星ホテル。なんだかインドじゃないみたい。とてもきれい。手話もつきます。参加者は世界中から。この会議は歴史があり、バリアフリーというより、公共交通や移動がメイン。近年、観光との結びつきも強くなっています。私の論文発表は「日本の歴史文化遺産へのアクセス」

  Access to the historical and natural heritage in Japan  2012, TRANSED India

会議では携帯電話のマナーモードが存在しないのか、着信音が鳴る鳴る。制限時間を守らない発表者も多いし、そこらへんは、ゆるゆる。

障害のある参加者も多数いました。開会式後のパーティへの送迎車は、ちょっと即席のスロープ付き自動車でした。そのパーティの主催は、デリー市長。多大なる支援を受けての会議開催。豪華で少し背中がかゆくなります。

スタディ・ツアーで、世界遺産「クトゥブ・ミナール」を訪問。高い塔が並ぶ、1200年頃建造のイスラム建築物。

会議の主催団体「Svayam」が、バリアフリー化を推進し、車いすでも世界遺産にアクセス可能になりました。順次、観光地をバリアフリー化していくとのこと。非常に有難い取組。誰もが知る、世界中から人が集まる有名な場所がバリアフリーになれば、街も変わるというもの。モデル。

続いて、デリー・メトロに乗る。テロの問題などもあり、地下鉄に乗るだけで厳しいセキュリティチェック有り。それは面倒だけど全員の義務。中に入れば、全駅バリアフリーのメトロ。車いすでも自由に乗れる。

ただし問題は、駅の外。駅に行くまで、出た後、街が段差だらけ、道路が横断できないなどの問題が。線でつながるバリアフリーにはなっていません。空港にもメトロは開通したので、それはとても利用価値あり。インドに新しく建設される地下鉄や、BRT(バス専用レーン)、鉄道など、ユニバーサルデザインが採用され、障害のある人も利用できるよう、誰もが利用できるうように、設計段階から配慮される時代になりました。


深夜特急に乗って

5つ星ホテルでの国際会議を終えて、夜行列車でアムリトサルへ移動。ホームで寝る人々、大声で客引きする商売人、絶え間なく行き交う大勢の人々。だから鉄道旅は面白い。

インターネットでは、切符は売り切れだったが、それは販売数に限りがあるみたい。駅で手配したら、座席はあった。デリーには3つの主要駅がある。ニザマディン駅を利用。名前にデリーが入らないからか、外国人旅行者は駅にいなかった。

2等寝台。11時間の旅。切符代は、227ルピー(400円)。いつも思うが、インドの鉄道は激安で快適。深夜特急なのでホテル代も浮く。デリーのホテルから駅へのオート三輪タクシーの値段が200ルピー。都市間移動の電車賃とさほど変わらない。

デリーの駅はいずれも終着駅ではない。ニザマディン駅も同じ。郊外列車ではなく、大都市を結ぶ特急列車は、プラットホーム1番に発着するだろうとの予測は当たった。駅舎から線路を渡ることなく、ホームが直結。段差なし。

電光掲示板がホームに設置され、どの車両がどこにつくか表示され、とても便利。駅の放送も適確。遅延も全くなし。完全なるオンタイム。時刻表通りに、全ての駅を通過していた。IT化の時代。システムも整備されたのか、駅や電車は古くても、運行は正確だった。

2等寝台車。同席はインド人の大家族。インドのへそ「ボパール」からの観光客。女四姉妹。それに親戚や友人など入れて10数名の旅。1週間ぐらいの旅らしい。鉄道運賃が安いので旅も気軽。英語は片言だが、仲良く会話。こんな出会いが旅を色づかせてくれる。お礼にと鶴を折ったら、とっても喜んでくれた。 

満席だった列車。アムリトサルの少し手前 Beas駅で、私の車両は、私を残して全員が降りた。インド人に有名な観光地、避暑地があるらしい。聞いたこともないんだけど。

アムリトサルに到着前。近郊通勤列車が横を走る。FOR DISABLED は、「障害者用の車両」。車いすも入る様式トイレがあったり、広いスペースになっている。満席の自由席に乗るのが大変な場合、障害のある人が優先的に座ってくださいということだが、優先はしているのだろうけど、一般の人も大量に乗りこむ。

列車が完全に停止する前に、人々は勝手に飛び降りていく。ワイルドです。

 

アムリトサル駅に到着。ホームの端がスロープになっており、そこから外へ。時間もあるので、ゆっくり駅舎の食堂で朝食をとった。お好み焼き、ヨーグルト、インドコーラ。腹ごしらえを終えて、ゆっくりとホテルを探す。


ゴールデン・テンプル

ホテルにチェックインして、朝寝をしてから、昼過ぎに、黄金寺院へと向かう。日本人がイメージするインド人は、ターバンを頭に巻いたシーク教徒だろう。プロレスラー「タイガー・ジェット・シン」が該当するが、インドでは少数派。ヒンドゥー教徒などは帽子をしない。そのシーク教徒の聖地がアムリトサルの黄金寺院

タクシーなどが集まる、商店などが立ち並ぶ、最も賑やかな場所にある入口は階段だった。他に入口があるかもと、車いすで入れる場所を探したら、あったあったスロープが。東側の入口。1カ所だけだが、バリアフリーな入口があることに感謝。

シーク教寺院には、髪の毛を隠すこと、入退場時に足を洗うことが決まり。中は裸足。黄金寺院に来る前に、参拝した他の寺院で貰ったスカーフを巻いて、私も入場。

 

池があるシーク教寺院。その周囲はもちろん平ら。四方を素晴らしい建築物が囲みます。池の中央には、黄金に輝く本尊があり。

黄金の御神体や、祈りの場所には車いすでの入場は禁止。車いすから降りないといけない。手を貸すよとも言われたが、歩けない私は素直に諦めた。這っていくのもねー。遠すぎ。介護高齢者など、車いすを置いて歩いて参拝する人もいました。

お告げを聞くエリア? お言葉をいただく僧侶?がえるエリアです。スロープがありました。

寺院にはレストランがありました。なんと、無料食べ放題。味も美味しい。入れ替え制で一度に1000人ぐらい入ると思う。長い待機列があるが、車いすの私は優先入場させてくれた。食後の食器洗いは自分でする。食材を切ったりするのはボランティア。

 

毎日、何万食も無料で提供するシステムはどうなっているのか? 奉仕と慈善。考えられない世界。誰もが無料で食べれるから、寺院の周囲にはレストランがほとんどなかったのも納得。もちろん寺院なので、入場料や参拝料は一切無し。異教徒でもルールを守れば誰もが入れ、施しも受けられる。


大好き! インド料理

アムリトサルでの夕食は、タンドリーチキン。ヨーグルトが味の決め手か、本場は格が違う。ばかうま。別に有名店でもなく、客のいないホテルのレストランでしたが、人生で一番のタンドリーチキン。

パキスタンへの向かう朝。ホテルの朝食は高いので、路上で朝食探し。いい感じの朝食屋台があり。バターたっぷり焼き立てのお好み焼き(野菜入りパン)。ホクホクでした。

   


NEXT / 目次  旅コラム

Travel for All トップページ