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ヨルダン出張&イスラエル(2)

2013/10

死海リゾート / ヨルダン


15年振りの再訪

ヨルダンとイスラエル、パレスチナの国境にある死海は、世界で最も標高の低い場所。マイナス400メートル。酸素が濃い。空気が濃いので紫外線なし。日焼けしないリゾート地。


アンマンでの撮影が長引いたので、死海に到着したのは夕方。5つ星の高級ホテル Moevenpick Resort & Spa Dead Sea を訪問。マネージャーなどと会食。会議への協力依頼。バリアフリー対応などについて、直談判。遅いランチに、ホテルのメインダイニングのイタリアン。ステーキとサラダをご馳走になる。超美味。幸せ。

食後は、プールで夕日を眺める。美しいの一言。

とても美しい夕日です。これが名物。ちょうど西向きにホテルは有り。乾燥しているので空気も澄んでいる。夕日の落ちている方向は、イスラエル側のエルサレムがある。つまり聖地に沈む夕日。

ところで、15年前に来た時と死海の印象が随分と違う。海岸線が道路からもっと近かったような?随分とビーチが下になったなあ、遠くなったなあとホテル従業員に話すと、毎年6メートル、水深1.6メートル後退しているらしい。つまり、私の前回訪問時と約100メートル海岸線が違う。。。風景が一変するわけだ。

車いすと砂浜の相性は極めて悪い。入水がより大変になった。ホテルも、部屋から年々ビーチが遠くなり、下へ下へと増床を重ねるが、困っていた。

さて、死海にきたからには、入らねばならぬ。でも夜。海岸もかなり下。夜に死海に入れてくれるホテルを求めて、2軒隣りの Dead Sea Spa Hotel へ。イブラヒムはどこでも顔パス。ホテルのマネージャーとも知り合いばかり。ロベルトと私、2台の電動カートに乗って、暗闇の砂浜を海岸の近くまで行く。

星空に浮いた、2人のカエル。下半身まひなので、股が開いてしまう。基本、夜に死海へ入ることはダメ。危ないから。貴重な体験。

ちなみに泊まったホテルはメルキューレで、このビーチとは別のホテル。夕食をマネージャーと一緒したのに、移動して違うホテルで寝るという私たち。短い時間に3件のリゾートホテルを訪問となった。色んな人にあって、バリアフリー対応の理解を求めるのが今回の私の仕事でもある。

死海の深刻な環境破壊。全く知らなかった。農業、工業用水などの使用で、死海に流れ込む水量が激減しているにが原因。水位を保つため、紅海から水を引き入れる計画もあるらしい。

内陸の湖の水位減少は、アラル海は習ったが、死海のことはテレビや新聞でも見たことがなかったので驚いた。航空写真を見ると、死海の面積は20年で3分の1ぐらい減少している。でもこの事実は報道されない。米国やイスラエルのロビー活動があるのだろうか?

水位減少の原因を、ヨルダンで尋ねると、人口増加、イスラエル側の産業用水らしい。イスラエルで同じことを尋ねると、ヨルダン側の人口増加と農業用水らしい。意見は違う。双方で責任をなすり合い。2国にまたがる環境問題は解決が難しい。

この5日後、対岸のイスラエル側をバスで通過したが、リゾート地は死海の南側にあった。水が枯れないように運河を何キロも作って、水位を確保していた。昔は道路脇にあった海岸線が、何百メートルも遠くになっている場所もあったりした。

聖書にも登場する歴史ある場所、唯一無二の世界で最も低い場所。酸素の濃い場所。維持して欲しいが、現実的には水位減少は進みそう。入ることもできなくなる可能性もあるので、死海を訪問したい人は、早く行かないとダメかも。


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