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オリエンテーリング世界選手権(2)

2004/09

旧東ドイツ、オクトーバーフェスト / ドイツ


活気ある新首都ベルリン

滞在したホステルが、旧東ベルリン側にあった。東側は物価が安く、地価も安い。もちろん治安も悪いのだろう。東側の中心地アレキサンダー広場周辺を散策するのは、とても楽しい。

街角にホットドックの立ち売り屋さんがいた。価格なんと1ユーロ。安すぎる。もっと美味しいソーセージもたくさんあるが、コストパフォーマンスは最高。さすが東ベルリン。基本的にホットドックはドイツの最も手軽なファーストフード。安くてうまくて、腹がふくれる。日本で同じホットドッグなら、3ユーロはしそうな感じだ。

車イスのおじちゃんも販売員として活躍していた。安いので、お客さんも入れ替わり立ち代り買っていく。でもガス?で調理しているので結構大変。

駅の周辺には、ネオナチの若者達がビールを飲んでタムロしている風景もよくみかけた。かなり怖いので近づけない、写真を撮れないが、そのうち一人が歩いているところをパチリ。ファッションなのか? 単なる反体制なのか? 本当に過激派なのか? わからない。


市内観光

ベルリンの街は大きい。歩いてまわるのは大変。バスや地下鉄をうまく利用しないとダメ。でも歩く。アレキサンダー広場から、テレビ塔を通り、ベルリン大聖堂を通り、ブランデンブルク門へ到着。ベルリンを象徴する建造物。森鴎外の小説「舞姫」を読んで以来、あこがれていた場所。約2キロの道程だが、観光客も多く、土産物なども並ぶので、時間がかかった。

道の途中に、ロシア大使館があった。その前に、大量の花束が置かれていた。300人以上の犠牲者を出した、北オセチア共和国の学校占拠テロ。その追悼だ。悲しすぎる事件。

ベルリンの新名所。ドイツ連邦議会議事堂。観光客に大人気。その理由は画期的な建築と、入場料が無料であること。入場するのに並ばなければならないが、車イスやベビーカーは別入口。いずれもエレベーターで上へ。

現代ドイツ、ベルリンの新建築を代表するガラスのドーム。素晴らしいデザインも、雨漏りしていて建築家と訴訟になっているとか? ガラスのドームの中は、スロープになっている。ユニバーサルデザイン。スロープをくるくる。ドームの頂上へ上がっていく。下りるのもくるくる。スロープの途中、ベルリン市内が見渡せる。ブランデンブルク門も、隙間から見えました。きれいですね。

  

連邦議会議事堂の北側。川沿いに現代建築が並ぶ。まさに建築の見本市。とってもモダン。政府関係の建物である。近くの駅も大改装中で、まだまだ工事中の建物が多い。

ポツダム広場周辺。こちらも現代建築が並ぶが、なんだか米国のダウンタウンと相似。日本の再開発とも似ている。欧州らしからぬ町並み。企業のビルなども並ぶ。近くにはフィルハーモニーや、ナショナルギャラリー、文化フォーラムと見所も多い。

ニューヨークで見たかった「ブルーマン」がベルリンのポツダム広場でも上演されていた。ニューヨークは狭い劇場で車イスはNGといわれたが、ここは大ホールだった。車イス席は1階席の最後列で、臨場感はイマイチ。55ユーロが、42ユーロに値引きあったのも納得。月曜の夜だったが、9割の入り。やっぱり人気ある。音楽(テクノ)、視覚(映像)、触覚(重低音の鼓動)、体感(内緒です)、連帯感(観客を巻き込む)。コミカルなパフォーマンス集団。基本はドラムのリズムだった。前に座れば面白いだろう。

 


ザクセンハイゼン強制収容所

当初は、ポーランドに行く予定だった。そこでアウシュビッツに行くつもりだった。しかしワルシャワからの航空券が高く、ポーランド行きを断念した。ベルリン近郊にも、ナチス時代の収容所と博物館があるので、見に行くことにした。

Sバーン1号線。北の終点オラニエンブルクへ。中心部から1時間はかかる。1日がかりになる。近郊電車の多くの駅はバリアフリー。ホームと電車との段差も小さい。駅から収容所までは、バスもあるらしいが、運転手に尋ねても乗車拒否? 意味が通じない。旧東ドイツだからか? 仕方なく歩いて行く。駅から北東へ看板も少なくわかりにくい道を2キロ。歩くには遠い距離だけど、バス停で本数をチェックすると、かなり少ないので大変。

長い道を歩いて、ようやく到着。壁の向こうに、センターがある。センターの展示物はあまりなく面白くない。トイレを利用させてもらうが、地下1階にあり、職員用のエレベーターを使わなければならず不便。新しい施設なのに、バリアフリーがイマイチ。センターから、収容所まで、これまた500メートルは歩く。しかも砂利道。ところどころ工事中で、これから観光地として整備中なようだ。

 

収容所は、ただ建物を再現しているだけで、私には面白くなかった。訴えかけるものもない。カンボジアのスーレー博物館やキリングフィールドの方がリアルで勉強になる。ポーランドのアウシュビッツは、写真など見ると、多くの展示物がリアルに置かれているので、迫力はあり、訴えかけるものが多くありそうだが、ここは建物の中に入れないのが面白くない要因。中は砂地もあって、車イス一人では大変だった。歩き疲れた。半日を無駄にしてしまった。


ドレスデン

ベルリンから特急で約2時間。日帰りでも観光可能なドレスデン。多くの日本人も訪れる。見所が集中していて観光が非常にしやすい。2006年サッカーW杯を目指してか、駅周辺が大工事。景気がいいのか? あちこちで工事が目立つ。数年後には駅は近代的になっているだろう。

劇場広場から、レジデンツ城を背景に記念撮影。 いわゆる日本人が憧れる欧州の風景。重厚なオペラ座もありました。

 

ドレスデンで見逃せない、ツヴィンガー宮殿。陶磁器コレクションは秀逸。マイセンがたくさん見れる。絵画館も有名。中庭も素敵。ドレスデンに来た目的は、フェルメールの絵画を見ること。「手紙を見る女」です。フェルメールはもう一枚収蔵されています。

 


ライプチヒ

ドレスデンから日帰り旅行(片道電車で1時間強)で、ライプチヒへ。電車はファンキーな落書きがされていた。電車は新しいタイプで、2階建て。最近の電車はホームと車両の段差をなくす努力がされている。自動的にスロープが出たりする。イスは倒して座る。車イス用というより、自転車用。多くの人が自転車と共に乗車する。

 

ライプチヒの見所は、駅です。なんと25のホームがあります。こんな地方都市で、どうしてこんな大きい終着駅があるんだろう?駅は、同時にショッピングセンターでもあった。1階には店舗。地下にはレストランにフードコート。まるで阪急梅田駅みたいだ。日本みたいに駅チカが発達していた。買い物にも便利。

街をぶらぶら散歩する。長い距離を歩き、川沿いの公園を散策。もう冬の気配が近づく公園は静かだった。市庁舎に戻ってきた。市庁舎はとても大きく、勝手に入って探検したが複雑な構造で迷子になった。

市庁舎と駅の間、1キロぐらいのところに店は集中していた。お土産物屋さんや、デパート、中世の町並みととけこんで、散策が楽しかった。


オクトーバーフェスト

ベルリンから、ポーランドへ行くつもりだった。しかしポーランドからスウェーデンへの航空券が高かった。代わりに安かったのがミュンヘンから。ビール祭りに参加するチャンス。10年前に訪問したことがある街なので1日だけの訪問。空港で運良くホテルを見つけることができたが高かった。ハイシーズンの旅行はツライ。こんなことなら空港で寝ればよかった。

ミュンヘンのビール祭り。会場は42ヘクタールと巨大。420メートル×1000メートルと想像してください。ひょっとして参加者も含め世界最大の祭りかも。

町の中心部の、平面にテント。最寄駅からは常に長蛇の列。民族衣装につつんだ人で賑やか。昼から夜まで長い時間行っているので、赤ら顔も多数。人の流れに沿って歩けば、自動的に会場にたどり着く。オクトーバーフェストはビールの祭りだけではなかった。チョコレートやお菓子、遊園地、皆が楽しめる巨大な祭りだった。

遊園地では、子ども達が遊んでいる。昔懐かしい乗り物も多い。歴史を感じる。食べ物の屋台もたくさん立ち並ぶ。遊園地があるとはいえ、目玉はもちろん巨大なビアホール。それぞれのビールメーカーが味と雰囲気を競い合う。収容人員5000人~1万人のテントが、14ほど並んでいた。

テントの中がとても楽しい。盛り上がっている。中央では楽団が演奏。民族衣装の店員がジョッキをもって駆け回る。裏では飲みながら働いている人もいた。そりゃそうだ。

訪れたのは、夕方前。これから予約客がどしどし押し寄せる。人気ホールはすぐに満席。テントの中に入るのは自由。客のフリをして、音楽や雰囲気を楽しむ。車イスのお客さんもよく見る。ジョッキは、1リットルのみ。でかすぎる。3杯、4杯と飲むから恐れ入る。知り合ったおじちゃんは8杯飲んでいた。

テントの中は大騒ぎ。歌う連中もたくさん。宴会にはもってこい。一人で来たので寂しい私は、ビールを飲む気にもなれず。大勢でこなきゃ面白くない。

おいしいおいしいソーセージ。ほお張りながら会場を探索しました。が、この後、車イスのタイヤがパンク。最悪です。自転車タクシーを捕まえ、自転車屋に行って修理。雨にも振られて、厳しい一日となりました。


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