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アウトドア天国 (1)

 
2008/11

心のバリアフリー欠如 / オーストラリア


旅行準備

観光客の多い、オーストラリア。今までずっと行きそびれていた国。ようやく訪問する機会が訪れた。応援するガンバ大阪が、アジアチャンピオンズリーグを勝ち進れば、アウェイの観戦に行こうと考えていた。決勝戦の相手が、私の予想では、オーストリアのアデレード・ユナイテッド。もし実現すれば、必ず訪問すると決めていた。それが正夢になった。

オーストラリア観光にあまり興味が惹かれないため、サッカーACL決勝の観戦が主たる目的。せっかくの機会、次いでにニュージーランドも訪問することにした。観光はこちらに期待した。

ニュージーランドは南島をレンタカーすることにした。車がなければ自由に動けない。大自然が魅力だから。私と同じく、車いすの旅人である香川県在住のキーヤンを誘った。いつか旅行をしようと語っていたから。キーヤンもニュージーランドに興味があったので、仕事を強引に休んでくれて合流することになった。車いす2名での旅。これまた新しい挑戦である。

キーヤンには、彼のハンドサイクルを持ってきてもらい、大きいSUVのレンタカーを借りて、ハンドサイクルを積み込み、ニュージーランドの大自然を交代でサイクリングすることにした。


車いすの搭乗に嫌気 格安航空ヴァージンブルー

オーストラリアでは、サッカー観戦するアデレードから、メルボルンまで一人でレンタカーすることに。メルボルンから、キーヤンとの待ち合わせするニュージランド南島クライストチャーチへの移動。豪州格安航空ヴァージンブルーの直行便が飛んでいた。

インターネットのみの販売。ところが、搭乗の際にお手伝いのいる人、車いす、子ども単独などは、インターネットでのチケット購入ができないシステムになっていた。スペシャルニーズ・アシスタンスの要る人は事前連絡をしてください。ネットでの購入はできませんとチェック項目があるのです。

ひどいのは、「事前連絡がない場合は搭乗拒否することがあります」との文言。何ページにもわたる規約と約款が列挙。読んでいるだけで日が暮れてしまう。指定の番号に国際電話したら、たらい回し。不親切、無愛想。メールでの問い合わせは無し。明らかに手間のかかる乗客は避けていると感じた。車いすの乗客が、飛行機に乗るハードルを思いっきり高くしていた。格安航空のため、地方空港の滑走路を歩いて階段昇降の搭乗すること、従業員が少ないことなどが理由であろうが、ひどい対応に驚きを通り越し、失望した。

私の場合、豊富な飛行機利用経験があるため、設備がなくてもいかようにも対応できる。階段を這うか、周りの人に担いでもらうかして、乗ろうと思えば乗れるだろう。しかし、搭乗拒否されたら、ニュージ-ランドで合流する友人に迷惑がかかってしまう。

悩みに悩んだが、利用を諦めた。溜まっていたマイレージの特典航空券の利用も、豪州-NZは人気路線。ビジネスクラスも満席だった。結局、オークランド経由のカンタス航空を購入した。料金はヴァージン5万4000円と倍以上。また、乗換のため深夜7時間、空港で待たなければならないのも面倒であった。

 メルボルン(オーストラリア) - クライストチャーチ(ニュージーランド) 

  ヴァージンブルー   418 豪ドル 直行便。
  カンタス航空     850 豪ドル 経由便。
  ニュージランド航空  700 豪ドル 直行便だが、希望日は既に売り切れ

サービス無しで安い航空会社はあってもいいが、格安航空しか飛ばなくなった路線が出てきている。公共交通として、多くの人が利用できる環境整備を放棄していることは、非常におかしい。

130キロ以上のお客さんの座席移乗の介助は行えない。単独搭乗は認めないとの記述も。子どもの単独搭乗や、ベビーカーも事前連絡。車いすを押すこともしません。などなど、杓子定規な規約ばかり。こんなことが許されるのかと思ったら、訴訟が行われていた。困った航空会社である。

・・・・・・

2008年4月13日  インターネット記事より

豪政府、低料金航空会社に苦言 「障害者単独旅行お断り」の対応に

2008年3月、低料金航空運賃を売り物にしているタイガー・エアウエイズ社が、「安全のため、障害者の旅行は介添人同伴に限る」としたため、メルボルンの難聴者グループが同航空会社を相手取って、障害者差別の訴えを出した。

4月11日、連邦の障害者差別問題委員会のグラアム・イネス委員長がスカイ・ニューズに出演し、「問題はタイガーにとどまらない。この2、3年、障害者が、障害を理由として乗機を拒否される事件が重大な問題になっている。低料金航空路線の参入が問題の原因になっている」と語り、「低料金航空路線は、航空安全基準をことさら厳格に解釈して乗機拒否する一方で、低料金航空路線の職員は教育訓練が行き届いていない。拒否が職員個人の解釈で、航空会社の方針ではないということもしばしば起きている」と語った。

さらに、「2006年には、バージン・ブルー社が、車椅子の乗客に介添人同伴に限り乗機を認めると突きつけ、障害者差別として連邦裁判所に提訴され、同社は介添人同伴という条件を引っ込めざるを得なくなった」と述べている。

先週、イネス委員長は、障害者サービス担当のビル・ショーテン政務次官共同議長を務め、航空会社、民間航空安全局、政府代表者を集めた「航空会社の障害者対策問題」フォーラムを開いており、その席で、ショーテン政務次官は、「安全の名目で差別が行われていることに、政府は憂慮せざるを得ない。障害者の大部分は、安全説明を理解し、飛行中も何の問題もないのだが、障害に関する航空会社職員教育訓練の不足が原因だ」と語っている。AAPはタイガー・エアウエイズ社にもコメントを求めている。


期待はずれ

オーストリアのバリアフリーは非常に進んでいると思っていたが、期待が強すぎたのか裏切られた。

オーストラリアの空港ではいずれも、飛行機から降りたときに、自分の車いすを持ってきれくれない。ドアサイドで乗り降りできると便利なのだが、お願いしてもダメ。自由が利かないことに不満です。空港のアクセシブルトイレも、いわゆる障害者専用であった。

アデレード空港から市内へのバスに乗ろうとバス停に並んでいたら、来たのは小さいバス。階段のみなので乗り込みは難しそう。運転手も無愛想で私を乗客として眼中になし。車イスではNGっぽいので、タクシーを利用することにした。幸い、タクシー料金は高くない。

夕方、市内でレンタカーを借りたとき、持参した携帯用ハンドコントローラーの使用が問題になった。レンタカー会社が装着するサービスもあるため、そのサービスを利用しろと言うが、営業所や車種は限られるので非常に使い勝手が悪い。アデレードでも空港以外はNG。明日になれば、メカニックが取り付けれるかもしれないから、明日まで待てないかともいうが、その保証も全くないし、夜にサッカー観戦にも行かねばらないし、翌朝に移動するので断った。

交渉に時間を要したが、全責任は私が負うという書面を書くことで、ようやく車を借りれた。世界中のハーツレンタカーを利用しているが、使用をとがめられたことに驚いた。

ようやくレンタカーが借りれた。携帯用ハンドコントローラーを装着する手伝いをメカニックに頼んだら、あっさり拒否された。下半身麻痺の私が、運転席の下を覗き込んで作業するのは一苦労。きつい日差しを受けながら、汗をたらしながら、一人で時間をかけて装着しました。

レンタカーでの旅。宿泊はモーテル。円高が救いだが、それにしても質の割に、値段が高い。車いす用客室があったりもするが、ただ広いだけの部屋。シャワー椅子も置いておらず幻滅でした。


カンタス航空 車いす積み忘れ

ヴァージンブルーの搭乗拒否があり、最初から印象のよくなかったオーストラリア。悪いことは重なるもの。ニュージーランドからの帰路、到着地のシドニー空港で私の車いすが見つからなかった。

私は一度も怒らなかった。声を上げなかった。ひたすら待った。1時間して、ようやくニュージーランドの空港にあることが判明。確認ですら時間がかかるのに呆れる。タグもある。目の前で機内へ移動しているのに、大事な車いすを積み忘れるとは、あまりに単純なミス。呆れてしまった。フレンドリーなのはいいが、本当いい加減な人達。

車いす積み忘れのトラブルも、乗換のついでに、シドニーで1泊する予定をしていたのが幸いした。旅人の勘というのか、余裕をもった日程にしたことは正解だった。

飛行場の大きい車いすを借りて、航空会社の用意するホテルに宿泊した。夕食、朝食付き。しかしながら、先払いしているユースホステルは予約キャンセル。夜のシドニー観光にも行けない。航空会社は、車いす対応の部屋を用意してくれたが、バスルームのドアは、カーテンだった。強引にバリアフリー対応をしたお粗末な造り。以前はヒルトンホテルだったのに。これまた驚き。

翌朝10時に、やっと自分の車いすが届いた。ようやく動けるようになったため、夜の飛行機まで、1日シドニー市内を観光してから、帰国しました。


アデレード

デジカメが旅行中に壊れてしまった。見苦しい写真でごめんなさい。アデレード市内のメインストリートは歩行者天国。豚さんの銅像がある。ゴミ箱をあさる豚です。

夕方、レンタカーを借りて、アジアチャンピオンズリーグ決勝の舞台 ハインドマーシュ・スタジアムへ。日本からも大勢のガンバ大阪ファンが来ていた。

  

チケットは、現地球団にメールをして、車いす席を予約した。用意された車いす席は、メインスタンド2階席(トップデッキ)の最前列(車いすエリア)。防護柵が邪魔でとても見にくい。しかも周りは、赤一色で、アデレードファンしかいない。

1階席の最前列にも車いす席があったが、そこは売ってくれなかった。空席もあったので、1階席に座らせてもらおうと交渉したが、頭の固い係員に拒否された。日本から応援に来たのに、融通が利かない。

  

試合は完全勝利。優勝セレモニーの様子を身を乗り出して写真に撮りました。アジア王者になった歴史的瞬間に立ち会えて幸せです。

試合終了後、1階席最前列の車いす席に移動。ピッチが目の前。多くの選手が目の前を通り過ぎていきます。播戸選手と肩を組んで写真を撮ってもらったのにカメラが故障。西野監督とも握手して声をかけることが出来たので、偉業を称えさせていただきました。幸せ。

 

その後、選手がスタジアムから出てバスに乗り込む場所でも待機した。いわゆる出待ち。豪州人に紛れて最も良い場所をキープ。バスに乗り込む選手全員を見ることができました。多くの選手に声をかけることができ、サインをもらったり、握手したり、外国に応援にきた特権ですね。今後も、ガンバ大阪のアウェイ応援も兼ねて、旅行を楽しみたいと思います。


メルボルン

アデレードから、グランピアス国立公園、グレートオーシャンロードを経由して、メルボルンへ。グランピアス国立公園は、キャンプするなら良いだろうが、ドライブは退屈。グレートオーシャンロードは、南氷洋からの風が強い。ビーチはきれいだが、ずっと海岸線の道ではない。マイツレストという森の小道がある。500メートルと気軽も、車いす一人はNG.坂道があった。

大都市メルボルン。トラムが走っているが、ホームに段差があり車いすはNG。歩道のカーブカットはきれいにされているので嬉しい。緑豊かな街で散策は楽しい。台湾で講演した際に、現地メディアで紹介され、メールをくれたメルボルン留学中の台湾人と会った。同じ大学の日本人もつれてきてくれ、3名で食事。彼が写真を送ってくれた。きれいな一枚です。


シドニー

メルボルン空港の免税店で、デジカメを購入。やっと写真が取れるようになった。ニュージーランドからの帰り、シドニーで1泊。車いす積み忘れのトラブルがあったが、翌日は観光へ。

空港から市内へは、鉄道が走っている。左写真。二階建ての近郊列車。段差はなく乗り降り簡単。デッキにいれば問題なし。右写真はシドニー市内を走るモノレール。観光用ですね。

オペラハウスは外せない写真スポット。何がすごいもありません。ただ有名なだけ。きれいな港町であるのは間違いありませんが、特別すごいなあとは思いません。

オペラハウスに隣接の公園で昼寝。ダウンタウンが見えます。住むのなら良いところですね。スポーツ好きには最高でしょう。サーフィン、ゴルフ、ジョギング、サイクリング。

キングスクロスへ移動。思ったよりピンクの香りはしない。美味しそうな巻き寿司屋があったので購入。手ごろな値段なため繁盛していた。日本食もすごく一般的。

ところで、シドニーにはとても中国人が多い。10万人~20万人とも。タクシードライバーは中国系の仕事。アデレード、メルボルンのタクシードライバーはインド系が多かった。オーストラリアには、インド系、マレー系もとても多い。ムスリムに寛容的なのが理由だとか。確かにオージーは、心は大らかであるが、いい加減で、サービスの質が低いと思う。また、ちょっと融通が利かない、規則にうるさい国だとも思いました。


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