■ Center for Independent Living Berkeley
バークレーといえば、障害を持つ人、特に重度の障害を持つ人の自立生活発祥の地。
その数々の業績は伝説となっており、障害を持つ人が住みやすい街として世界的に有名である。
日本でも、生まれもって障害をもつ人や、その親が、バークレーに対し憧れをもっており、聖地となっている。
毎年100名以上の日本人が、CILバークレーに視察にきている。
カリフォルニア大学バークレー校前の名物通り「テレグラフ・アベニュー」を5分ほど下ったところに、
CILバークレーはある。受付は電話がいつもなりっぱなしで、訪問者も多く、とても忙しい。
その歴史は、1972年に始まる。
1973年の、リハビリテーション法504条を受けて、障害を持つ人の権利も強くなり、
バークレー市の支援を受け、1978年には、年間予算320万ドル(約4億円)、職員200名になった。
しかし、1980年代の米国不況を受け、年間予算80万ドルに激減。職員も28名になった。
数々のサービス部門が独立していったこともあるが、財政を行政にだけ頼っていたのが問題だった。
この教訓を得て、民間からの寄付など、独立した資金を作るようになる。
2002年の年間予算は200万ドル。46名の職員がいる。
CILバークレーは、現在オークランド市にも3つのサービスオフィスをもっている。
CILバークレーのサービスを受けている人は、年間2400名。
バークレーから始まったCILは、現在カリフォルニア州で30ヶ所、全米で400ヶ所、設立されている。
CILには、障害を持った人が多く働いている。職員の65%が様々な障害を持っているとのこと。
規則にも、51%以上、障害を持つ人が運営に加わることとなっている。
設立当時から、障害を持つ人の雇用の場としての役割も強く、数多くの障害を持つ人が働いた。
両手両足のない人、呼吸器が常に必要な人、全盲、脳障害、どんな人でも受け入れている。
多くの人が、CILで実績を積んだ後、新しい仕事に移ったり、一般企業で働いたりしている。
NPO団体なので、給料が安い。多くの報酬を求め、それができるなら当然のことである。
ちなみに、私が訪問したとき、要職の求人をやっていて、
週37.5時間労働で、年間給与が3万ドル〜3万5000ドルだった。一般職員はもう少し安いと思う。
CILのサービスは、障害を持つ人なら誰でも受けられる。それがたとえ外国人であっても。
私も住宅相談すればよかった。知らなかった。
住民証明や障害を証明するもの(障害者手帳は米国にはない)なんてのも必要ない。自己申告。
また、CILは、すべての障害に対応しているので、非常にユニバーサル。
各障害ごとでの交流も多く、日本での障害が違えば交流が少ない環境とは違っている。
設立当初は、肢体不自由だけだったのが、すぐに領域を広げていって全てに対応するようになった。
当然、設立当時から、全米から障害を持つ人が、このエリアに集まり、
サービスもどんどん増え、バークレー市の財政負担も大きくなってきたのだが、
市は、それをむしろ歓迎している。障害を持つ人が自由に暮らせる市として誇りを持っているのだ。
もちろん一部の住民は、福祉に多額使われることを良しとしないが、大多数は好意的だとのこと。
本当、バークレーには、色んな障害を持つ人が住んでいます。
CILバークレーが抱えている現在の問題は、住宅、就職支援、そしてお金。
私もこのエリアでの住宅探しの大変さは、身を持って体験したので、よくわかる。
市から派遣された専属の住宅探しカウンセラーも働いている。年間800名が相談に来る。
障害を持つ人が住むことができる特別な住宅リストも存在するが、
毎月、公募される借主募集リストからピックアップし、貸主と相談して探していくという。
バークレーは全米の他の都市と比べ、とても古い街で住宅には階段があることが多い。
よって、必要なときは、スロープを作ったり、リフトをつけたりする。その費用と設置はCILが無料でする。
日本と違って、貸主が障害を持つ人が住むことを拒否するのは法律で禁じられている。
それでも問題がある場合は、CILが法律相談に乗り、貸主と交渉し、必要なときは提訴する。
この地域の、障害を持つ人の失業率は、73%。やはり就労というのは、大きなネックになっている。
低収入の場合、住宅、医療、福祉器具などの優遇があるので、無理して働かない人もいるという。
日本と違い、米国は低所得者層向けのサービスとして、障害を持つ人も含まれている。
もちろん、CILでも就職の紹介を行っている。企業側からの相談も多く寄せられる。
障害を持つ人の就労環境を整えるときセミナーを企業に向けて、有料で行ったりもする。
相談で多いのは、勤務態度に問題がある場合、それが障害によるものなのか、個人によるものなのか、
障害を理由に解雇はできないので慎重になる。
もちろん、遅刻や課題達成をしないのはあきらかに障害ではなく、個人の問題なので、解雇である。
お金は、どこの組織でも、いつも問題になることですね。
無尽蔵に寄せられる要求にこたえるには、やはり財政的なものが不可欠になる。
CILで巣立って、収入を得て自立した人から、寄付がされることも多いとのこと。
※いろんな質問に答えていただいたジェラルドさん。ありがとうございました。
※以下、バークレーCIL 案内用紙を要約したものです。 ご参考ください
■Overview 概要
| CIL( Center for Independent Living Berkeley:自立生活支援センター)は、非営利で、コミュニティ(地域)に根ざしたサービスを提供する組織で、障害を持つ人の自立する権利を主張し、彼らの生活の質を高め、我々の社会に完全参画する機会を与えるものである。 |
■Personal Assistance Service (PAS) 介助サービス
| 介助者は、募集され、面接され、身体ケアや家事などの介助者を雇用したいものに照会される。コンピューター登録が障害を持つ顧客の介助者照合を手助けしている。Personal
Assistance
(介助)とは、料理、掃除、買物、付き添い、事務作業、朗読、移動補助、ペットの餌やり、入浴、着替え、トイレ、医療補助、のことを指す。 |
■Independent Living Skill 自立生活スキル
| CILスタッフは、公共交通機関の利用法、福祉サービスの受け方、買物、社会生活、介助者朗読者との接し方、個人主張、などのスキルを身につけるのをサポートする。 |
■Housing 住宅探し
| 手頃で、バリアフリーな家を 探して保持するのを手助けする。住宅リストは、地域の住宅供給リストから情報が入っている。住宅探しのアドバイスは、自立生活スキル、自己主張訓練と密接に関わっている。必要ならば、法律的な助言も行う。スタッフは貸主との交渉の手伝いをする。 |
■Peer Support Services ピアサポート(個人相談)サービス
| 個人相談は、スタッフや他の障害を持つ人によって提供されている。障害との共存、孤立、介助者ネットワークの発展、個人能力の向上などの問題が話される。もちろん、地域のプロフェッショナル・カウンセラーの紹介も行われている。 |
■Employment Services 就職サービス
| 仕事目標を明らかにすること、面接能力を高めること、筆記能力の回復について、手助けをする。職探し技術を教えられ、仕事の紹介がされ、就職が決定した以降の相談もされる。 |
■Information and Referral 情報と照会
| 情報は、地域にある他の障害サービスに蓄積されている。障害問題の総合的情報は、他の地域サービスを通しても、資料が入手可能である。 |
■Benefits Counseling 享受される社会保障の相談
| 情報供給と手助けは、社会福祉、医療ケアのようなプログラムの手続きの上で提供される。情報供給と手助けは、問題を抱えている、あるいは職場復帰を望んでいる、最近、障害を負った人に対しても提供される。 |
■Individual Advocacy 個人主張
| 個人主張サービスは、社会保障、医療制度、家庭内介助、移動補助などの利用を上手に使いこなすことが必要とされる個人に利用可能である。 |
■Blind Services 視覚障害サービス
| 視覚障害をもつ人は、個別個人相談、自立生活スキル訓練が受けれる。音読者の紹介、適応する装置の情報が提供される。杖や点字用紙は販売されている。視覚障害のための録音、音読本の許可証書も提供される。 |
■Deaf and Deaf/Blind Services 聴覚障害、盲ろう障害サービス
| 個人相談、手話通訳、通訳者紹介、自立生活スキル訓練、情報と照会、弁護相談、職業訓練前の生涯目標設定相談のサービスが提供される。 |
■Youth Services 若年層サービス
| 障害を持つ若年層と、その家族は、自立生活スキル訓練、個人相談、情報と照会、そして平等に教育を受ける機会の弁護、4つの中心となる手助けを受けれる。また、特別教育教師、ワークショップ、親たちのサポートグループ、学校での障害に対して見識を持ってもらう訓練、通常授業の中で障害を持つ若年層の学習環境を整えるための技術的補助、も提供している。 |
■Client Assistance Project (CAP) 依頼者への手助け
| CAPスタッフは、リハビリテーション局や連邦政府リハビリテーション行動計画に関わる人からの依頼に対しアドバイスと手助けをする。依頼者に対し、リハビリテーション局の要求やサービスについて情報をきっちり知らせ、行政との議論解決の手助けし、障害を持つ人の権利と責任に関してアドバイスをする。 |
■System Advocacy 制度に対する弁護
| 障害を持つ人の市民権を高め、法律を実施するようにする、主張の方法や手段について学習する。住宅や公共交通のような地区の制度や、個人主張に関して、情報を知らせ、手助けをする。 |
■Assistive Technology (AT) 補助技術
補助技術(車いすから、コンピューターのソウトウエアまで)は、障害を持つ人の生活機能を高めるものである。技術的に解決する情報、最も効果的に解決するであろう方法、どこで技術が見つけられるか、などの情報を提供する。
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