■障害を持つ学生は少ない
ノーベル賞受賞者を数多く輩出していたり、ビル・ゲイツの母校でもある、世界的に超有名な、MIT
(マサチューセッツ工科大学)は、理系でもあることからか、障害を持つ学生の数は非常に少ない。
担当する部署の職員は、2名の常勤スタッフと役職者を入れて3名。他にはなし。
オフィスも、小さい部屋一つである。しかしながら場所はメイン通りに面した大学の一等地にある。
現在サービスを提供しているのは、85名。他の大学と同様に学習障害、注意欠陥障害の学生が主体。
車イスの学生は1名。デフ(耳の聞こえない)学生は、昨年3名卒業して、現在はゼロとのこと。
全盲の学生はいないが、教科書を大きくしたりの対応をする視覚障害の学生が1名いるとのこと。
ちなみに、MITの総学生数は、約1万5000人(学部5000人、大学院1万人)です。
大学のレベルが非常に高く、入学が難しいこと。
障害を持つ人が、理科系の大学に進学することが少ないこと。
バリアフリーでない建物があること(ボストンは全米最古の街でバリアフリーな街ではない)。
そんなことが、障害を持つ学生が少ない理由となっています。
昨年から雇用され働いてる アーロン です。 気さくに色んな話をしてくれました。
彼が積極的に、MITの障害を持つ学生の受け入れを変えていっているようでした。
理系の大学なので、教授によっては、学習障害の理解をなかなかしてもらえなかったり
(例えば、試験時間の延長など)することが多いそうですが、そんなときに、彼は相談し、交渉します。
学習環境を整えること、ノートテイカーやサービスの調整をすることが、彼の主な仕事となっています。
理系の学問を学ぶときに、よく問題になるのが、専門的な授業における通訳者の質。
ところが、大学の街ボストンという土地柄か、難しい理系の授業を手話通訳するスペシャルな人が
いるとのこと。学生から通訳や授業環境に対しての不満はないとのことです。
ノートテイカーには、1時間 8.5ドル。 リーダー(音読者)には、1時間 10ドル。支払われます。
授業以外でのサービスはないとのことです。
(カリフォルニア大学バークレー校では、授業以外での、研究するときの介助者サービスがあります)
また、ボストンは、狭い密集したエリアなので、住宅を探すのが困難です。
よって、MITを含め、どこの大学も寮をバリアフリーにしており、そこに住めるような対応をしています。
大学の隣だし、冬の雪の日も安心ですね。
MITは、世界最先端の研究で有名であるように、コンピューター設備が非常に整っています。
学習環境の申し込みも、すべて障害を持つ学生センターのウェブサイトで行われます。
アシスティッブ・テクノロジー(補助技術)には、素晴らしい環境があります。
音声認識ソフト、トラックボードマウス、高感度スキャナー、点字表示器、スクリーンリーダーなど、
7台の最新式のパソコンが、置かれた部屋があり、2名の職員が交代で待機しています。
この職員は、大学のインフォメーション局の仕事と半々でしています。
この部屋は、24時間アクセスが可能。理系らしく夜も研究が続く眠らないMITです。
現在、25名の学生が登録し、利用をしています。
MITの特徴は、その実力の高さからか、試験環境に関して、厳しく対処しているところ。
理科系であることも影響しています。どこまで学習環境を認めるのか非常にシビアに対応しています。
また、障害を持つ学生についてや、学習環境について、機密保持に気を使っているところです。
以下、マサチューセッツ工科大学 障害を持つ学生センター サービス内容の抜粋です。
■差別をしない指針
マサチューセッツ工科大学は、教育と雇用において平等の機会を持つ責任に献身的に取り組んでいる。大学は、個人の、人種、肌の色、性差、性志向、宗教、障害、年齢、退役軍人、家柄、による差別をしない。入学規定、教育内容規定、雇用規定、奨学金、財政支援、他の大学の計画や活動において差別をしない。しかし、入学や財政支援においては、米国市民や住民をひいきにすることがある。
■マサチューセッツ工科大学の障害を持つ学生への関わり
マサチューセッツ工科大学 Disabilities Services Office
(DSO:障害を持つ学生センター)は、1990年 ADA法、1973年のリハビリテーション法504条のもと、要求されており、障害を持つ学生に適切な学習環境と介助を提供するための意味のある努力がなされている。その目的は、我々の学生が、すべての大学の計画とサービスに平等に接することを確約することにある。ゴールは、大学の計画とサービスが元のままの状態のまま保護する義務のもと、学生が接する権利をバランスよく探すことにある。学習環境の決定は、学生と、過去の学習履歴、両親、DSOスタッフ、アカデミック・アドバイザー、学部職員、必要ならば外部の専門家が、関わりあった対話による結果である。
■学習環境を要求する手続きにおける、DSOの責任
DSOは、合理的な学習環境が、障害を持つ学生に提供されることを確証する責任がある。学習環境決定におけるゴールは、大学と学生の希望とのバランスにある。学習環境の必要性は、その学生の障害と学習計画に依存する。そして、それらの要因は、大学での教育計画の間に変更される可能性があるので、学生の学習環境は、時によって更新され、調整される。特別な学習環境は、個々の障害証明、個人的要望、学習要求から決定される。
■特別な試験環境
| 1) |
試験時間の延長: 試験時間延長に関する、中等教育の次の教育としての標準的な実施は、1.5倍の延長である。学習環境が補助技術、代筆者、音読者を利用するときや、学生の試験時間延長の要求書がはっきりと延長を明確にするとき、そのときの状況に応じて、試験時間の増加を調整する。また、最新の大学規定では、大学は、学生に試験時間を無期限に延長する権利を与えないと決められている。 |
| 2) |
テープでの試験: テープに録音して試験を受ける学生は、少なくとも2週間前までに「試験環境の要望書」を埋めて提出する責任がある。なぜなら、DSOスタッフ、学部担当職員、担当教官、学業部署は、その必要な環境を提供するための適切な時間が必要だからである。 |
| 3) |
音読者: 学生は、少なくとも2週間前までに「試験環境の要望書」を埋めて提出する責任がある。なぜなら、DSOスタッフ、学部担当職員、担当教官、学業部署は、その必要な環境を提供するための適切な時間が必要だからである。音読者は、学部かDSOによって身元確認がされる。音読者は、試験の資料だけを読むように指導される。音読者は学部スタッフから他の追加情報を提供してもいいといわれたとしても、いかなる情報も提供してはならない。音読者は、ヒントを与えたり、答えをほのめかしたりすることなく、試験を元のままに守らなければならない。試験の音読者は、学生の要望書がその必要性を正確に書いている場合にのみだけ提供される。 |
| 4) |
代筆者: 学生は、少なくとも2週間前までに「試験環境の要望書」を埋めて提出する責任がある。なぜなら、DSOスタッフ、学部担当職員、担当教官、学業部署は、その必要な環境を提供するための適切な時間が必要だからである。代筆者は、障害を持つ学生が口述したそのままに書くように指導される。代筆者は、試験を元のままに守らなければならない。自分の言葉で書きかえたり、通訳したり、ヒントを与えたり、答えを指示したり、してはいけない。 |
| 5) |
個室: 学生は、少なくとも2週間前までに「試験環境の要望書」を埋めて提出する責任がある。なぜなら、DSOスタッフ、学部担当職員、担当教官、学業部署は、その必要な場所を提供するための適切な時間が必要だからである。DSOは、学部が多くの学生を個室に配置するのを手助けする準備をしている。 |
| 6) |
試験問題の事前通達: 学生の要望書が、試験環境として、試験問題の事前通達を認められたとき、学部からの試験問題の訂正は、以下の場合の状態のときのみ許されている。1)学部職員、あるいは責任を代理された人が、DSOとの相談のもと、試験問題を言い直すことをする場合 2)試験のスケジュールが、授業時間内で行われるとき、あるいは、学部職員か、その代理人がいるときの場合。 この試験環境による試験時間の延長は、その試験が完全に終了するまで延長が許されるであろう。もし、学部職員が、問題を言い直す人でない場合、試験はテープ録音されるかもしれない。 |
■教材の代替
| 1) |
テープ教科書: DSOは、カセットテープに教科書を録音する学習環境を提供するために、ニュージャージー州 プリンセトンにある Recordings for the Blind and
Dyslexic (RFBD:
盲者と失読症のための録音所)と共に、働いている。障害を持つ学生は、RFBDのサービスを受け取るために、RFBDの手続きの書類を提出する責任がある。もし、教科書教材が、十分な時間があるにも関わらず、RFBDから提供されない場合、DSOは、テープに教材を録音するために学生の音読者を雇用する。どちらの場合も、そのテープは、授業コースが終了した段階でDSOに返却されなければならない。 |
| 2) |
テープ教科書の早い届出: テープ教科書は、時間のかかる学習環境であるため、できるだけ早い事前授業登録、DSOに知らせることが重要となる。その授業が、くじで履修が決められたり、選抜で選ばれるシステムの授業であってもである。DSOスタッフは、学部からの要求される教科書情報について、学生を手助けもする。 |
| 3) |
音読者: もし、教科書が、RFBDの、そのときどきの様式によって提供されない場合、あるいは音読が必要な他の教材がある場合、DSOは、音読者を雇用し、訓練する。音読者は、個人的に教材を読んだり、テープに録音したりする。障害を持つ学生にとって、音読者に敬意を払うことは、ことのほか重要である。音読者と良好な関係を築いたり、効率的に作業をする手助けとして、「音読者と共に働く、役に立つヒント」というタイトルの本が、DSOにはある。 |
| 4) |
教材の拡大: コース教材の拡大を求めるとき、学生は拡大を必要とする教材を取得する責任がある。拡大教材が必要なことに関する推薦状は、DSOから取得しなければならない。 |
| 5) |
点字教材: 担当教官から指定されたコース教材を翻訳する学生作業員から、手助けを受けるでしょう。DSOは、その介助人を雇用する責任がある。また、学内の
障害を持つ人のための、ATIC (Adaptive Technology
Information and
Computing 補助技術情報とコンピューター)
部屋が、点字教材を作る設備と指導を提供しています。障害を持つ学生は、学生作業員が指定された作業をすることへの責任がある。 |
■授業補助
| 1) |
ノートテイカー: 学生の要求書に正当な理由があるなら、授業でノートテイカーを持つことが推奨される。ノートテイカーは、自分のクラス内で直接誰かにお願いをして見つけてください。もし、この方法がうまくいかない場合は、学習環境要望書を持って、学部職員か指導教官に授業のときに、ノートテイカーが必要であることを告知してください。学部職員と指導教官は、それから、ノートテイカーの訓練と報酬の情報について、ノートテイカーに興味のある学生を、DSOに照会すべきである。障害を持つ学生の身元については、その学生が要求する場合を除いて、公開すべきではない。 |
| 2) |
授業内容のテープ録音: 授業内容をテープ録音する必要性を特別に要求するなら、そのことを、学部に提出される「学習環境の要望書」に明記される。もし、学部が、その特別な権利のあることの情報を授業内で公開することに関して考慮しているなら、学生は、学部職員の自己裁量のもとで、秘密保持の署名を要求することができる。 |
■学習環境の要求
学習環境は、以下のことを含む。試験時間の延長、代替方法による試験、授業でのノートテイカー、代替用具のことである。
| 1) |
学生は、障害コーディネーター、あるいは学習障害スペシャリストに、障害の確認証、要求する学習環境の明細を提出しなければならない。 |
| 2) |
学生は、その証明証を再確認するために、また適切な学習環境の決定を手助けするために、障害コーディネーター、あるいは学習障害スペシャリストと面会の予約を取らなければならない。そのときに、学生は学習環境を受けとることを開始する「合理的な学習環境要求用紙」を記入しなければならない。この用紙は、DSOのオフィス、あるいはDSOのウエブサイトから取得できます。 |
| 3) |
障害を持つ学生から要求された学習環境の概要である、DSOからの「学習環境文書」は、学部の特別な職員、指導者に届けられる。この文書は、学生の証明書と「合理的な学習環境要求用紙」を基に作られる。 |
| 4) |
学生は、各々の学部職員、指導者と面会をし、必要とする学習環境について話し合わなければならない。学生が自分の学習環境に関して、学部の職員、指導者と直接に対話することを強く奨励している。 |
| 5) |
もし、学習環境を考える過程の中で、問題や課題があるなら、その学生や学部の職員、指導者は、障害コーディネーター、学習障害スペシャリスト、あるいは学習指導責任者に、その問題を解決するために連絡をとる責任がある。 |
| 6) |
最も大切なことは、指導者であろうが、学部であろうが、DSOであろうが、どこの組織が主体になろうが、要求されちえる学習環境が整うことである。 |
| 7) |
学生は、追加サービスや学習環境を得るために、すべての学習環境手順に従わなければんらない。DSOのスタッフは、学生を手助けするために、その手順を説明することができる。 |
| 8) |
もし、学習環境が十分でなく、不足していると感じるのなら、ただちにDSOに知らせてください。必要に応じて、大学の規約にのっとった正式の不満不平書を提出することができる。 |
| 9) |
DSOが直接提供しないものもある。障害を持つ学生へのサービスは、学生によって要求された学習環境を満足あるものにする合理的な努力がなされているが、確かな学習環境の要求が提供できない非合理なこともあるでしょう。時期がずれた試験、介助者、個々の筆記用具、タイピスト、授業外での音読者や家庭教師、その他、授業外の装置やサービスが提供しないものに該当する。 |
■試験環境の要求
学生の試験環境の要求書は代替試験をするのに提出されなければならない。代替試験は、授業において特別に考えられた大学の試験時間で予定される。
| 1) |
学部や指導教官との話し合いの後、要求した試験環境が提供されるか否かを知ることは、学生の責任である。 |
| 2) |
試験環境の最も成功といえるのものは、学部、指導教官が、その試験の質と公平さを、監視するために試験を調整することである。それは、個室を用意したり、試験監督や、音読者、筆記者を調整し用意することなどである。 |
| 3) |
もし、学部や指導教官が、要求した試験環境の全部、あるいは一部を受け入れないのならば、学生は、その試験の2週間前までに、適切な学部係員、学生係、またはDSOに、要望書を記入し、届けなければならない。 |
| 4) |
試験日の前に、試験環境を要求した学生は、すべての試験環境の調整を責任をもって確認すべきである。これは、試験環境の設定の誤解を防ぐのに必要なことである。 |
■ノートテイカーの要求
| 1) |
障害を持つ学生は、出席する授業のクラスメイトに直接お願いをして、ノートテイカーを同じ授業内から探すことを求められている。 |
| 2) |
もし、授業内で見つけられなかった場合、学部や指導教官にお願いをして、ノートテイカーが必要であることを告知してもらうことができる。このとき、名前など、学生のプライバシーが保護される権利がある。学部は、またノートテイカーに興味のある学生をDSOに伝えることもできる。DSOでは、ノートテイカーが可能な学生のリストがある。そこでマッチングも可能である。 |
| 3) |
ノートテイカーをすることになった全ての学生は、ノートの取り方や報酬、提供する学生の情報を得るために、DSOに直接連絡をすべきである。ノートテイカーに選ばれた学生は、DSOから、1時間に8.5ドルの報酬が支払われる。 |
| 4) |
障害を持つ学生は、ノートテイカーの労働時間の立証について尋ねられる。ノートテイカーが、時間通りに、適切なマナーで、授業のノートをとっているか確認し、調整することは、障害を持つ学生の責任である。もし、ノートテイカーが十分なマナーに欠ける場合、DSOに直ちに届出をしてください。 |
| 5) |
ノートテイカーを希望した学生が、授業に出席するのは命令義務である。ノートテイカーは学生の授業出席代理ではない。もし、長時間にわたる授業への出席が不可能なら、ノートテイカーとDSOの双方に、そのことが知らされなければならない。届出の怠りは、ノートテイカーを受け取る恩恵を失うことになる。 |

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