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米国留学記(1
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2002/09 - 2003/08

ライド・ザ・ロッキーズ


合宿

冬のスキーで知り合った連中が、ハンドサイクルをしていた。
夏に、ロッキー山脈を1週間かけて走る自転車大会 ライド・ザ・ロッキーズ というのがあるので、
混ぜてもらうことにした。しかし、その距離や標高差、並大抵のものではない。
参加するのかどうか悩みまくったが、一生に一回のチャンスと思って、参加を決意した。

色んな運命が重なって、ライド・ザ・ロッキーズ につながった。

さて、今年で7年連続参加となるマットが、高地に体を慣らすことも含め、
「1週間前に俺の家にきて練習を一緒にしたほうがいい」というので、おじゃまさせてもらった。
彼の家のリビングにあるソファーに寝て、昼間は近所をサイクリング。目の前が大自然。

とある日は、女子ハンドサイクル現役世界チャンピオンのモニカと一緒にトレーニングをした。
彼女の夫のイアンは、ヴェイルで一緒にスキーをしていたので、既に知り合い。
ビール会社クアーズの工場があるゴールデンの一般道を約30キロ走った。丘が多くて大変な道。
さすが世界チャンピオンだけあって、とてもじゃないけどついていけなかった。やっぱり凄いや。


水上スキー

私の師匠マットは、アダプティブ・アドベンチャーという冒険グループを主催している。
デンバーの湖で、毎週、水上スキーのプログラムをしているからと、私もしにいった。

水上スキーは、米国でもまだ広まっていないレクリエーション。
その発展形のウエイクボードも含め、マットたちは、道具も自らが開発。イスをボードに装着。
遊びのためには何でもしちゃいます。

子ども達も多く参加。
アダプティブ・アドベンチャーの活動のメインは、子ども達にレクリエーションの喜びを伝えることです。

学生を中心としてボランティアの方々もお手伝い。
もちろん、彼らも後で、水上スキーを楽しみます。皆が楽しまないとね。

水上スキーは、立ち上がりが難しい。
初心者は、平行を保つために、後ろに人がついて、最初だけバランスを保ってもらいます。

走ってしまえば、後は簡単。風を感じるだけ。
ただし、腕がとても痛い。ボートが引っ張るので、握力と前腕の力が非常に要ります
よって長時間のライドはしんどいです。私も筋肉がパンパンになってしまいました。
上達すれば、自由度の高いウエイクボードでジャンプしたり、片手で演技したりできますよ。
格好いいのが、この水上スキーの特徴です。

こんな具合に、マットと共に一週間、彼の行動に付き合いながら、ハンドサイクルもこいだ。
マットは、モノスキーの指導者としては全米一。とても有名な人物で、別名スーパーマット。
彼と過ごした時間は、とても有意義だった。 


前日

ライド・ザ・ロッキーズは、走行距離 650㎞
それも3000メートル級のロッキー山脈を毎日走り続ける。半端じゃない。

ゴール地点のスキー場に、自動車を駐車。皆でバンに乗ってスタート地点に移動(車で8時間)する。
我がチームは、1995年にハンドサイクルで世界一周をした スティーブがリーダー。
私の夢を既にした人がいるなんてショックだったが、すごい連中が集まっている。

車イスは、5名。アダプティブスポーツを学ぶ学生が2名。仲間達が10名くらい。2台の車で移動。
ハンドサイクルや自転車は、別にトレーラーで運ぶ。


1日目

朝6時半にホテルを出発。

最初の1時間で、もう辞めてしまおうかと本気で思った。

どこまでも続く坂。これがこれから延々と1週間も続くなんて考えられない。
辞めるなら早いほうがいい。でも私にもプライドがあった。色んな人に世話になり参加に至った。
初日だけは走りきろう。それだけが支えでこぎ続けることに。

約8時間で、この日の最高点の峠に到着。そこからは一気に下る。時速60キロ、70キロのスピード。
ところが、微妙に上り坂もあって、最後まで気が抜けないが、山道を下るのは爽快。

初日は、なんとか完走。到着は17時40分。 11時間10分の長い一日だった。


2日目

参加者は、2000名。小さな町を巡ったりするのだから、ホテルの数は足りない。
多くがテントを張ってキャンプする。だから、スタート、ゴール地点は、中学校や高校が使われる。
シャワー使えるし、調理場あるし、体育館あるし、グラウンドあるし完璧。

  

  

またまた朝6時40分に出発。この日は下りが多く6時間の走行。距離100キロ。
最後の30キロは緩やかな下り。しかも追い風。
ドリフト走行(前に自転車をつけて風の抵抗をなくす)で、平均時速32キロで飛ばす。 
とても最高な1時間半。完全に飛んでました!最高の経験。


3日目

この日は、最も簡単な日といわれた。それでも農村地帯を50キロ。
短い距離とはいえ部品の故障もあり、4時間の走行。私にとっては楽じゃない。この日も大変である。

オハイオ州クリーブランドのデニー。奥さんと、コロラドに住む甥と一緒に参加。彼はずっとキャンプ。
両足片手切断のハンドサイクリスト。この日は、彼としばしの間、一緒にこいだ。


4日目

今回最大の試練。歴代最長距離の167キロ。もちろん峠越えがある。
ホテルからバスで出発点に行かなければならなかったので、起床は4時。出発は5時45分。

  

もう精魂尽き果てた。13時30分にリタイア。中間点でした。
食料の取り方(ロジスティクス)をミスしたせいか、完全にガス欠。しかも暑くて水分不足にもなった。
リタイアしたチェックポイントでは、撤去作業が始まっていた。

レスキューのバスに乗ってゴール地点へ移動。
車窓からは、落差1000メートルの ブラックキャニオン国立公園が見える。さすがロッキー山脈。


5日目

休息日。クレスト・ビュー という、これまた絶景の町。むかし炭鉱があったそうで、その面影も残る。
多くが、夕方までずっと眠り続けていた。皆でバーベキュー。とってもおいしかった。
左の写真で料理を取ろうとしている人は、片足で世界一早いサイクリスト レックス。
蹴りが強いので後輪のスポークは特製のものをつけています。

の写真は、ニューメキシコ州アルバカーキ-から初参加のポールと、その妻レベッカ。
なんて素敵な夫婦なんでしょう。レベッカも美しく明るい。うらやましいなあ。 


6日目

最も標高差のある峠を越える日。最高点はなんと3600メートル。富士山を越えるようなもの。
例のごとく、6時15分の早朝に出発。110キロの走行となる。
この日は大雨。さらに悪いことに、工事中で舗装されていない道路が続く。
跳ねた泥で、サングラスもヘルメットも茶色に。ジャージーも泥だらけ。

 

昼ごろ、晴れてきた。だいぶ上ってきたけど、先には坂が続く。
それに、遥か向こうに雪山が見えるけど、まさかあれを越えなきゃならないのか?

昼食から、5時間。亀の歩みで、山を登りきった。 バンザイ!
文章にすれば、一行のことだが、想像を絶する苦しみがあった。高地で酸素も薄いし大変。
11時間30分。ずっと山道を上ってきたんですよ。信じられますか?

その後は、1時間20分の下り道。爽快の極み。
スピードの出し過ぎでこけないように、カーブで転倒しないように、慎重に走りました。
この一日で、私の体はボロボロ。
無理な姿勢で走り続け、右足の股関節も外側に曲がってしまった。


7日目

最終日も峠を越えるが、そうハードな行程ではない。しかしながら、私の体と足は限界だった。
こいでいると右足が横に落ちてしまう。どうやら股関節が外れており、右足が外側に開いてしまう。

体のバランスが崩れるので非常につらい。
昨日を走りきって満足しているし、4日目にもリタイアしているので、無理に走ることは諦めた。
よって、スタートしてすぐにリタイアした。走っていて楽しくないことはする必要はないだろう。

 

サポートカーに拾われて、ゴール地点へ。
続々とサイクリストがゴールしていきます。そのゴール地点は、パーティ真っ盛り。
完走するのは、コロラドに住むアスリートの夢でもあります。とっても楽しい自転車大会でした。


※無料電子書籍 「秘境の車イス」 にも、より詳しい記述があります。ご覧ください。


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